トレーナー養成講座の修了者の児童虐待ケースヘの対応に関するセルフエフィカシーのプレ・ポストテストの結果は表4-8・図4-1・図4-2のとおりである。13のモジュールの内、「子どもの虐待とその援助」「基本的態度とコミュニケーション」「権利擁護」「関係機関との連携」「リスクアセスメント」「相談の受付・調査」「診断・判定・援助」「家庭復帰」「終結」といった9のモジュールに関するセルフエフィカシーは講座を受けることによって高くなっており、統計的にも5%水準という高い水準での有意差が確認された。統計的には有意とならなかったが、「一時保護」「強引な引き取り」「28条申し立て」といったモジュールでも、セルフエフィカシーは向上していた。なお、「立入調査」についてのセルフエフィカシーは講座終了後に低くなっていた。

　合計得点を見ても、プレ51.95、ポスト55.19となり、0.1%水準での有意な差が確認された。これらのことから、神戸少年の町版CSPトレーナー養成講座が参加者の児童虐待ケース対応に関するセルフエフィカシーを向上させる効果があることが確認され、虐待に直接関わる援助職のトレーニングとして意味があることが示された。

　

　児童虐待対応といった課題得意的なセルフエフィカシーを参加者の自信度のプレ・ポストテストの結果、プレ45.93%、ポスト53.32%となり、講座終了後は自信度が向上していた（表4-9・図4-3参照）。また、統計的にも、5%水準以下の高い水準で有意となった。このことから、神戸少年の町版CSPトレーナー養成講座が参加者の児童虐待対応への自信度を向上させる効果があることが示された。

　

　

　

　

　

　

　

　

　トレーナー養成講座の前後での一般性セルフエフイカシーのプレ・ポストテストの結果、「行動の積極性」「失敗に対する不安」「能力の社会的位置づけ」そしてこれらの3因子の合計得点とも、講座終了時の得点が高くなっており、統計的にも有意となった（表4-10・図4-4・図4-5・図4-6・図4-7参照）。この結果、トレーナー養成講座を受けることにより、参加者の一般的なセルフエフィカシーが向上することが示された。