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(7)実験塗装結果
防食塗料/防汚塗料共に問題無く塗装する事ができた。
刷毛塗性についても特に異常な点は見当たらなかった。
塗膜状態について、
○防食塗料
塗装塗膜は良好な状態であった。
密着力についても、塗膜層での剥離はMIN.2.0MPa以上であり(2.0MPa未満の測定値はいずれも接着面からの剥離)、通常の防食塗料の持つ密着力(2.0MPa以上)と同等の値を示した。
実船適用のタールエポキシ塗料の塗り重ね性についても特に問題は見られなかった。
○防汚塗料
塗装塗膜については一部塗膜のクラック(平板溶接ビードキワ)が発生したが、これは下向き作業(スプレー)による過膜厚(1,200μm以上)が原因であり、実作業に近いモックアップブロック塗装においてはこのようなクラックは見られず良好な塗膜を形成した。
塗膜強度(耐フェンダー性として面圧40kg/cm2、耐盤木性として面圧30kg/cm2の荷重)についても確認試験ではダメージは見られず、従来型防汚塗料と較べて同等以上の強度を発揮した。
また従来型防汚塗料を上塗する事による密着力の低下も見られなかった。
 
 平板実験塗装、モックアップブロック実験塗装の状態を図6.1.3-1〜-5に示す。
 
平板試験塗装後の状態
 
(下地処理:ブラスト処理)
防食塗料塗装:6枚
防汚塗料塗装:8枚
 
図6.1.3-1 平板試験塗装後
 
モックアップブロック塗装施工
 
モックアップブロック外面
防汚塗料施工時
(下地処理:パワーツール処理)
 
図6.1.3-2 モックアップ外面(防汚塗料施工時)
 
モックアップブロック外面
防汚塗料完了時
 
図6.1.3-3 モックアップ外面(防汚塗料完了時)
 
モックアップブロック内面
防食塗料施工時
(下地処理:パワーツール処理)
 
図6.1.3-4 モックアップ内面(防食塗料施工時)
 
モックアップブロック内面
防食塗料完了時
 
右側:タールエポキシ塗膜上に新塗料を上塗りした区画
中央部:新塗料塗膜上にタールエポキシ塗料を上塗りした区画
左側:新塗料のみ施工した区画
 
図6.1.3-5 モックアップ内面(防食塗料完了時)
 
6.1.4 実船実験塗装
(1)実験時期
 塗装実験には200,000DWTバルクキャリアを供試船として選定し、下記の地上塗装期間中の実験塗装を考えた。
 
表6.1.4-1 供試船建造工程
 
(2)実験塗装範囲
 防食塗料については、中央部バラストタンクのトップサイドタンクと二重底内底板の一部、また防汚塗料については、平底部と立上部の一部を実験塗装範囲と考えた。


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