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(5)五次試験
 低温乾燥性、耐クラック性の改良を目的としアクリルエマルションEM8〜14のサンプル提供を受け評価した。又、付着性、防汚性の確認を行ない、最終配合を決定した。検討組成は、表4.2.3-5に示す。
 
 提供されたサンプルについて、塗料物性(分散性、貯蔵安定性)、塗膜物性(造膜性、耐海水性、乾燥性、塗膜硬度、耐盤木性、付着性試験)および防汚性能(実海域暴露試験、銅の溶出試験)を行い評価した。
 塗料物性(分散性、貯蔵安定性)は、一次試験にて分散不良が一部に発生したが、その他はすべて良好であった。貯蔵安定性は、試作塗料を気温23℃、湿度50%の条件下で静置保管し経時の塗料状態を確認した。(3ヵ月後の状態を調査)
 
表4.2.3-1 供試樹脂サンプルの概要
サンプル名 日立化成工業(株)開示 検討項目内容
一次試験 S001 溶剤系長油アルキッド
S002 溶剤系ポリエステルポリオール
WB002 自己乳化型アルキッド樹脂 混合溶剤系
WB004 水溶性オイルフイリーアルキッド樹脂
二次試験 WB002系樹脂 試作品1 WB002溶剤変更品
WB002系樹脂 試作品2 溶剤変更品(イソプロピルセロソルブ単体)
WB002系樹脂 試作品3 溶剤変更品(t-ブチルセロソルブ単体)
WB002系樹脂 試作品4 樹脂中溶剤量を半分に減量 9部→5部
WB002系樹脂 試作品5 pH変更 7.3→8.0
WB002系樹脂 試作品6 pH変更 7.3→9.0
三次試験 WB002系樹脂 試作品7 酸価アップ
WB002系樹脂 試作品9 分子量アップ
WB002系樹指 試作品10 分子量アップ(試作品9より更にアップ)
WB002系樹脂 試作品11 油長減(WB002の油長減)
WB002系樹脂 試作品12 油長減(試作品11より更に減)
WB002系樹脂 試作品13 油長減(試作品12より更に減)
WB002系樹脂 試作品14 油長ゼロ
四次試験 WB002系樹脂 試作品16 自己乳化型アルキッド樹脂(ノニオン成分減)
WB002系樹脂 試作品20 自己乳化型アルキッド樹脂(アクリル比率増)
W790系樹脂 アクリル変性エポキシエステル
EM1 アクリルエマルション
EM2 アクリルエマルション(EM1よりTg減)
EM3 アクリルエマルション(EM1の酸共重合)
EM4 アクリルエマルション(硬質成分増)
EM5 アクリルエマルション(架橋成分導入)
五次試験 EM8 アクリルエマルション(EM3よりTg減)
EM9 アクリルエマルション(EM8と同Tg、酸価アップ)
EM10 アクリルエマルション(EM9と同Tg、酸価さらにアップ)
EM11 アクリルエマルション(EM10と同Tg、酸価さらにアップ)
EM12 アクリルエマルション(EM8よりTg減)
EM13 アクリルエマルション(EM12と同Tg、酸価さらにアップ)
EM14 アクリルエマルション(EM13と同Tg、酸価さらにアップ)
 
表4.2.3-2 一次試験組成
原材料 S-001 S-002 WB-002 WB-004
検討事項 溶剤系 溶剤系 水系 水系
WB-002
WB-004
S-001
S-002
ロジン
有機溶剤
助溶剤
亜酸化銅
弁柄
増粘剤A
増粘剤B
合計 101.2 101.2 100 100
NV 99 98 64 76
V Solid 86 86 58 74
VOC 194 194 116 160
VOC(EPA法) 186 198
使用した原材料に○印を付けた。
 
表4.2.3-3 一次試験WB-002における二液塗料組成
原材料 WW-041
(1)
WW-041
(2)
WW-041
(3)
WW-041
(4)
WW-041
(5)
検討項目 顔料組成 顔料組成 顔料組成 増粘剤 増粘剤
一液目 亜酸化銅
酸化チタン
酸化亜鉛
脱イオン水
分散剤
増粘剤(1)
増粘剤(2)
消泡剤
助溶剤
樹脂
小計 59.5 75 90 69.8 100.9
二液目 樹脂
有機防汚剤A
脱イオン水
分散剤
小計 36.3 36.3 41.3 45.9 6.3
合計 95.8 111.3 131.3 115.7 **1 107.2
N.V.% 59.7 60.8 64.4 61.5 65.4
V Solid % 33.6 34.0 36.1 35.6 39.6
VOC(EPA法) 163.0 146.9 139.0 155.3 161.6
**1・・・再凝集しており再分散は困難であった。その他は、貯蔵安定性、分散性ともに良好であった。
使用した原材料に○印を付けた。
 
表4.2.3-4 二次及び三次試験組成
原材料 WW-047
(1)
WW-047
(2)
WW-047
(3)
検討項目 増粘剤 増粘剤 増粘剤
一液目 亜酸化銅
酸化チタン
脱イオン水
分散剤
増粘剤(1)
増粘剤(2)
揺変剤
消泡剤
助溶剤
小計 62.8 62 62.2
二液目 樹脂
有機防汚剤A
脱イオン水
分散剤
小計 35.3 35.3 35.3
合計 **1 98.1 97.3 97.5
**1・・・すべて貯蔵安定性、分散性とも良好であった。
使用した原材料に○印を付けた。
 
表4.2.3-5 四次及び五次試験組成
原材料 四次 五次
サンプル名 WW-050
(1)
WW-050
(2)
WW-051
(1)
一液目 検討項目 増粘剤、消泡剤減量 防汚剤組成変更 着色顔料変更
造膜助剤の増量
亜酸化銅
有機防汚剤B
酸化チタン
着色顔料
脱イオン水
分散剤
増粘剤
揺変剤
消泡剤
造膜助剤
小計 60.8 64.8 72.9
二液目 樹脂 **1
有機防汚剤A
脱イオン水
分散剤
小計 44.2 37.9 33
合計 **2 105 102.7 105.9
**1・・・PVC(顔料容積濃度)は、樹脂量を低減することにより調整。
**2・・・分散性はすべて良好であり、貯蔵安定性は防汚剤を変更したWW50-(2)組成のみ確認し良好であった。
 使用した原材料に○印を付けた。


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