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3.2.5 耐久性調査
(1)防食性評価
 現在まで得られた基礎樹脂系、現用樹脂系及び既存塗料の防食性評価を新規導入したバラストタンク促進試験(MARINTEK)を用いて実施した。
(a)供試塗料種
 表3.2.5-1に示す塗料10種類
 
表3.2.5-1 現用樹脂塗料、基礎樹脂塗料、現用塗料系の割り振り表
供試塗料種
A 基礎樹脂開発塗料(表3.2.4-3 c-1) F 現用溶剤系塗料
B 基礎樹脂開発塗料(表3.2.4-3 c-2) G 現用溶剤系塗料
C 現用樹脂無溶剤系開発塗料(表3.2.4-1 a-2) H 現用ハイソリッド系塗料
D 現用樹脂無溶剤系開発塗料(表3.2.4-1 a-3) I 現用溶剤系塗料
E 現用無溶剤系塗料 J 現用溶剤系塗料
 
(b)試験板作成条件
 試験板作成にあたり表3.2.5-2に示す条件によりエアースプレー塗装で目標膜厚になるように作成を行った。
 
表3.2.5-2 試験板作成条件
膜厚 基礎樹脂開発塗料、現用樹脂無溶剤系開発塗料 Dry 300μm
現用無溶剤系塗料 Dry 300μm
現用ハイソリッド系塗料、現用溶剤系塗料 Dry 250μm
鋼板種 ショットブラスト鋼板 SS400(150×60×2.3mm)
ショッププライマ鋼板 SS400(150×60×2.3mm)に無機ジンクショッププライマ塗布板
乾燥期間 23℃ 7日
膜厚測定 測定機器 MINITEST 1001
 
(c)試験要領
(i)促進試験方法
 写真3.2.5-1に示す、バラストタンク腐食促進試験機を用い、下記試験条件により耐久性能を検討する。耐電防性として、カットを入れた試験板に亜鉛棒を結線し新規促進試験機に浸漬し耐久性能を検討する。
 
写真3.2.5-1 新規腐食促進試験機
 
試験条件
(1)上面 温度条件(温度50℃ 12時間→20℃ 12時間)1サイクル
(2)側面 乾湿交番(35℃塩水浸漬6時間、塩水浸漬なし6時間)1サイクル
(3)側面 乾湿交番+温度勾配
△T20℃(乾湿交番+△T20℃)
(塩水35℃浸漬+△T20℃、)
(4)底面(35℃塩水浸漬)
塩水;3%食塩水
 
(ii)評価方法と評価判断基準
 評価方法は、外観調査と付着力の測定より、耐久性能を確認する。外観、付着力測定及び判断基準は、表3.2.5-3に示した方法で評価した。又試験板にドーリーを取り付けた状態、写真3.2.5-2と塗膜付着力試験機の写真3.2.5-3、概要を表3.2.5-4に示す。
 
表3.2.5-3 付着試験(密着力)と評価判断基準
付着力
測定操作
標準
アルミ製円形ドーリー(直径2.0cm、厚さ1.5cm、接着面積3.14cm2
・接着剤:セメダイン製セメダインスーパー
・試験片は、測定部の塗膜表面を軽くサンドペーパー掛けをする。
・きれいに磨いたアルミ製円形ドーリーに上記接着剤を塗布し、上記のペーパー掛けした測定部に付着させる。
・接着剤が乾燥後円形ドーリーの周囲を円形ドリル又はカッターナイフで試験板素地まで切り込みを入れる。
・測定部を塗膜密着力試験機に取り付け、引っ張り試験を行う。
判断基準 外観;(サビ ASTM D610-68)(フクレ ASTM D-714-56)
付着性;SR165 準拠による評価
 
写真3.2.5-2
 
写真3.2.5-3 塗膜付着力試験
 
表3.2.5-4 塗膜付着力試験概要
塗膜付着力試験機器(引っ張り試験機)
メーカー TOYAMA
形式 NXT-250P
荷重(引張り荷重) 0.49〜7.85MPa(N/mm2
引張り時間 7.85MPa(N/mm2)まで90秒


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