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3.1.3 安定性改良検討
(1)特殊変性剤種類の検討
 特殊変性剤を変更することにより立体障害により水素結合が生じにくくなり安定性が改良できると考え、アルキル基の長さ(長鎖、短鎖A,B)、分岐構造(一級、二級、三級)、芳香族特殊変性剤について検討した。検討した変性剤を下記に、経日安定性試験結果を図3.1-1、2に示した。
 
 
表3.1-5 特殊変性剤種類による安定性改良検討
項目 試作品 エピコート
828
(市販品)
S9 S10 S11 S12 S13 S14 S15
エポキシ樹脂 脂肪族エポキシ ビスフェノールA型エポキシ
特殊変性剤 長鎖 短鎖A 短鎖B 短鎖C 短鎖C1
(第二級)
短鎖C2
(第三級)
短鎖D
(芳香族)
-
樹脂特性 外観 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好
不揮発分
(%)
93.0 95.0 95.2 96.5 94.2 95.1 96.3 100
粘度
(mPa・s)
280 10,000
以上
380 990 200 190 300 12,300
分子量 数平均
分子量
700 - 600 690 500 510 600 320
重量平均
分子量
1,500 - 1,100 1,600 860 790 990 410
Mw/Mn 2.1 - 1.8 2.3 1.7 1.6 1.7 1.3
樹脂安定性
50℃×30日
粘度
(mPa・s)
固化 - 固化 固化 250 200 500 -
数平均
分子量
- - - - 600 520 610 -
重量平均
分子量
- - - - 1,000 800 1,100 -
Mw/Mn - - - - 1.7 1.5 1.8 -
 
図3.1-1 50℃における粘度変化
 
図3.1-2 50℃における分子量経日変化
 
 長鎖、短鎖系変性剤は、50℃、30日で固化する傾向にあるが、二級、三級、芳香族のようなかさ高い官能基をもった特殊変性剤を使用することにより増粘傾向が抑えられ、樹脂安定性を改良することができた(図3.1-1、2)。


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