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 図4-16〜図4-23はキャスターで段差・隙間を通過したときのデータを、段差高を一定にして隙間幅による駆動力の違いとしてまとめたものであり、段差段鼻およびドアレールを通過したときの駆動力ピーク値を別々に表示している。なお、駆動力ピーク値は、3試行分の駆動力の平均値である。
 ただし、段差高0mm・隙間幅0mm、段差高0mm・隙間幅5mm、段差高5mm・隙間幅0mmの場合、段差段鼻を通過するときの駆動力と平地を通過するときのそれと弁別ができなかったのでデータなしとしている。また、段差高50mm・隙間幅80mmの場合、3回の試行いずれにおいても、キャスターが隙間にはまり込んで脱出できず通過不可能であったので、データなしとしている。
 
図4-16 キャスター通過時駆動力(段差高0mm)
 
図4-17 キャスター通過時駆動力(段差高5mm)
 
図4-18 キャスター通過時駆動力(段差高10mm)
 
図4-19 キャスター通過時駆動力(段差高15mm)
 
図4-20 キャスター通過時駆動力(段差高20mm)
 
図4-21 キャスター通過時駆動力(段差高30mm)
 
図4-22 キャスター通過時駆動力(段差高40mm)
 
図4-23 キャスター通過時駆動力(段差高50mm)
 
 これらの図から、駅ホームと車両床面高さの差が15mm以下、および、隙間が60mm以下の場合は、径が130mmのキャスターで通過する際、ドアレールによる影響の方が大きいことが分かる。
 ここで、キャスターが段鼻およびドアレールを通過するときの駆動力ピーク値のうち大きい方の値を選択して、それを段差・隙間を通過するのに必要な駆動力としてまとめ直すと図4-24のようになる。
 
図4-24  キャスターが段差・隙間を通過するのに必要な駆動力
 
 この図から、ほぼすべての段差高において、隙間幅が70mm以上になると、キャスターでの通過にかなり影響を及ぼすことが明らかである。これは、隙間がキャスター径(130mm)の半分以上になると、キャスターが隙間にはまって沈み込むことにより、実質段差高が大きくなると理解することができる。
 つぎに、駆動輪で段差・隙間を通過するときの駆動力ピーク値の結果を図4-25に示す。駆動輪で通過するときは、段差段鼻とドアレールを通過するときの駆動力ピーク値は弁別できなかったので、1つのピーク値としてまとめている。段差高50mm、隙問幅80mmについては、前述したように、キャスターが隙間にはまり込んで通過不可能であったので、データなしとしている。
 この図から、今回の実験では、径が60mmの駆動輪の場合は、隙間の影響はキャスターほど受けないことが分かる。
 
図4-25 駆動輪段差通過時駆動力


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