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海洋白書 2004創刊号 日本の動き 世界の動き

 事業名 海洋シンクタンク事業
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


世界の動き
1 各国の海洋政策
〈カナダ〉
2002. 7.22  カナダ政府は1997年1月1日に施行した海洋法(Canada's Ocean Act)に関連して7月22日, カナダ海洋戦略を発表した。「河口域, 沿岸域そして海洋の生態系の管理のための政府の政策綱領」と位置づける。
 
2003. 3. 7  カナダ漁業海洋省は, バンクーバー島南西沖合いの深海にあたるエンデバー海底熱水鉱床を, カナダ海洋法にもとづき, カナダ初の海洋保護区(MPA)に指定すると発表。深海の鉱床部周辺特有のユニークな生物を保護するため。
 
〈中国〉
2002. 1. 1  中国は, 第9期全国人民代表大会の常務委員会第24次会議(2001年10月27日)において決定した海域使用管理法を施行。
 
〈インドネシア〉
2002. 6.28  インドネシア政府は, 世界ではじめて, 同国の群島水域を貫く群島航路帯を正式に設定し, IMOに通告した(12月28日に発効)。国連海洋法条約に基づいてIMOでの協議を経たもので, アメリカ, オーストラリアなどが主張していた東西ルートは取り入れられず, 南北の2本の基本的ルートが採用された。
 
〈韓国〉
2002.11.14  韓国は, 海洋に関する基本法となる海洋水産発展基本法(法律第6700号)を施行。
 
2003. 2. -  報道によると, 韓国は2004年から2008年までの5年間に700億ウォンを投入して韓国EEZ内の海中・海底のゴミを撤去するための総合政策を立てて実行する計画である。海洋水産部(日本の省にあたる)が実施主体で, 韓国海洋研究院に東シナ海の堆積廃棄物の分布実態調査も依頼する。
 
〈イギリス〉
2002. 5. 1  イギリス環境・食料・農村省(DEFRA)は, イギリス政府で初めてとなる海洋管理報告書「我々の海を守る:海洋環境の保全と持続可能な開発のための戦略(Safeguarding Our Seas: A Strategy for the Conservation and Sustainable Development of our Marine Environment)」を公表した。2001年3月にブレア首相が海洋保全強化のための措置を講じると明言していたものを受けたもの。
 
〈アメリカ〉
2003. 3. -  アメリカの海洋法2000(Oceans Act of 2000)に基づいて設置されている海洋政策審議会(Commission on Ocean Policy, 議長の名前にちなんでWatkins Commissionと呼ばれている)は, 当初の報告書取りまとめ時期である2003年春の予定をイラク戦争の影響で, この秋に延期することにした。1967年設置の審議会の報告(このときも議長の名前にちなんで, 1969年に発表された報告書「Our Nation and Sea」はストラットン報告と呼ばれた)以来の, 本格的な海洋政策に関する方向性を示すものと期待されている。
 
2003. 6. 4  民間のピュー慈善財団の資金で運営されたピュー海洋委員会の3年に及ぶ海洋政策についての検討と提言をまとめた報告書「アメリカの生きている海洋(America's Living Oceans)」が発表された。
 
2 国連などの動き
2001.11.21〜23 「陸上活動からの海洋環境の保護に関する世界行動計画(GPA)」の第1回政府間レビュー会合がモントリオール(カナダ)において開催された。国連の専門家集団GESAMPがこの会合のために報告書「陸上活動から海洋を守る(Protection the Oceans from Land-based Activities)」を提出した。都市排水に関する戦略的行動計画, GPA実施のための資金メカニズム, 今後の活動計画等に関する討議が行われ, 最終日には, 「陸上活動からの海洋環境保護に関するモントリオール宣言」が採択された。次回のレビュー会合は2006年に開催される予定。(第3部12参照
 
2001.12. 3〜7 UNESCO政府間海洋学委員会(IOC)とデラウエア大学海洋政策研究所の共催により, 「リオ+10における海洋と沿岸に関する世界会議」が, UNESCO本部(パリ)で開催された。海洋問題を「持続可能な開発に関する世界サミット」(WSSD)のアジェンダにどう取り入れるかを議論し, 各国政府, 国際機関, 各方面の海洋関係者が参加した。WSSDのために, 「沿岸の持続可能な開発の確保―行動の呼びかけ」, 「リオ+10における海洋と沿岸についての大臣たちの見解」などの報告書が作成された。
 
2002. 1.28〜2. 8 第10期持続可能な開発委員会(CSD)は, WSSDの準備会議として指定され, その第2回準備会合(WSSD PrepCom II)が, 国連本部(ニューヨーク)で開かれた。
 
2002. 3.25〜4. 5 WSSD PrepCom IIIが, 国連本部(ニューヨーク)で開かれた。
 
2002. 4. 7〜14 第3回国連海洋非公式協議プロセス(UNICPO)が国連本部(ニューヨーク)で行われた。2つのパネル討論のテーマは, (1)海洋環境の保護と保全, (2)人材育成。その他, 地域での協力と調整, 統合的海洋管理について議論があった。
 
2002. 5.27〜6. 7 WSSD PrepCom IV(閣僚会議)が, バリ島(インドネシア)で開かれ, 持続可能な開発のためのパートナーシップの必要性, アジェンダ21の実行のための統合的かつ戦略的なアプローチの再確認などに同意した。
 
2002. 8.26〜9. 4 WSSDが南アフリカヨハネスブルクで開催され, 国連環境開発会議10周年を契機にアジェンダ21の実施状況を確認し, 今後の活動計画「WSSD実施計画」を採択して, 9月4日に閉幕した。この実施計画では第4章第30〜36項は経済・社会開発の基礎となる海洋における天然資源の保護と管理を扱い, 同第7章は小島嶼国の持続可能な開発を取り上げる。同第11章は, 海洋問題を含む組織的枠組みを扱っている。(第1部第2章, 第3部1参照
 
2002. 9. -  WSSDの討議に海洋問題の重要性を主張し, 実施計画に盛り込むことを働きかけてきた学者, シンクタンク, NGOと各国, 国際機関の海洋関係者の有志が, WSSD後の海洋問題の取り組みを強化するために, 各人が個人的資格で参加する「海洋・沿岸・島嶼に関する世界フォーラム」をサミット期間中に結成した。
 
2002.12. 9〜10 国連第57総会で, 国連海洋法条約署名開放20周年を記念した会議が開かれ, 2つのパネルが開催された。
 
2003. 3. 3  海洋と海洋法に関する国連事務局長報告が発行された。
 
2003. 3.16〜23 1996年に設立された国際NGO世界水会議(WWC)が, 21世紀の国際社会における水問題の解決に向けた議論を深め, その重要性を広くアピールすることを目的とした国際会議第3回世界フォーラム(WWF-III)を京都・大阪・滋賀で開催した。会議終了後, ミレニアム開発目標(2015年までに安全な水と衛生施設を持たない人々を半減させる)達成に向けて真剣に取り組む旨の声明文が出された。(第1部第2章参照
 
2003. 4.28〜5. 9 第11期CSDがニューヨークで開催され, 今後15年間の多年度作業計画を策定した。2年ごとに設定したテーマ群に取り組むことになっており, 水問題は2004/2005年の, 小島嶼途上国及び海洋・海洋資源問題は2014/2015年の主テーマになっている。
 
2003. 6. 2〜6 第4回UNICPOが国連本部(ニューヨーク)で行われた。2つのパネル討論のテーマは, (1)航海の安全, 特に海図作成のための人材育成, (2)破壊されやすい海洋生態系の保護。その他, 政府間及び国際機関の間の協力と調整, WSSDやWWFにおいて取り上げられた海洋問題, そして旗国(フラグステート)と寄港国(ポートステート)の義務について議論が行われた。次回のテーマは未定。
 
3 国際海事機関(IMO)の動き(日本の動き 5 交通運輸を参照)
1)海上テロ, バルクキャリアーのダブルハル化など海上安全
2002. 2.11〜15 第1回海上テロ対策中間作業部会(条約改正のための外交会議)が開催された。2001年9月に発生した米国同時多発テロ事件を契機に米国の提唱により, 2001年11月の第22回IMO通常総会において, 海事分野における海上の保安強化を図ることが合意された。これを受けて, 5月15〜24日に開催される第75回海上安全委員会(MSC75)での審議に先立ち具体的な海上テロ対策について事前検討を行った。
 
2002. 5.15〜24 MSC75が開催され, 海上テロ対策を盛り込んだSOLAS条約改正案の審議が行われた。(第1部第6章参照)また, 同MSC75では, 沈没事故が続出するバルクキャリアー(ばら積み貨物船)の安全強化について, 水位監視装置, ポンプ装置の強制化を内容とするSOLAS条約の改正案を原則承認, 次回MSC76で採択されることになった。シングルハル, ダブルハルにかかわらず500総トン以上が対象。2004年7月1日以降建造の新造船, それ以前の現存船に適用される。
 
図2-22 船舶の解撤作業
 
2002. 7. 1  1998年から段階的に施行されていた国際安全管理コード(ISMコード)が, 500トン以上の全ての船舶についても適用された。この, 船舶の安全管理・運行と海洋汚染防止のための新たな強制的国際基準の全面的導入により, 船舶の安全が世界的に更に促進されることが期待される。
 
2002. 9. 9〜13 第2回海上テロ対策中間作業部会が開催され, MSC76における条約改正採択のための最終調整を行った。
 
2002.12. 2〜13 MSC76が開催され, 海上テロ対策審議が行われた。また, バルクキャリアーについてのダブルハル化について原則合意をした。発効予定の2006年7月1日に向けて, 詳細審議が続けられている。
 
2002.12, 9〜13 第5回SOLAS条約締約国会議が開催され, MSC76の審議結果を諮った。最終日の13日には, SOLAS条約の「第V章及び第VI章」の改正案及び「船舶及び港湾施設の国際保安コード(ISPSコード)」の新設案が採択された。これによって, 改正SOLAS条約及びISPSコードは, 一定期間内に異議通告がない場合, 2004年7月1日に発効することとなった。
 
2003. 3. -  IMOの第46回設計設備小委員会(DE46)は, バルクキャリアー安全対策のうち, シングルハルバルクキャリアーによる鉄鉱石など高比重貨物の積載方法について, SOLAS条約で定める1999年以降の新造船強度基準を満たさない船舶の隔倉積みを禁止することで合意した。日本提案が支持されたもの。新造バルクキャリアーのダブルハルは, 検査用のクリアランス600mm, 全体の幅1,000mmでおおむね合意した。一連のバルクキャリアーの安全対策はパッケージとして扱われ, 2005年の改正条約を採択, 2007年発効予定。
 
図2-23 ドック内で建造中のダブルハルタンカー
 
2002. 3. 4〜8 ロンドンで開催された第47回海洋環境保護委員会(MEPC47)でバラスト水中の有害水生生物の規制に向けた新条約案の審議が行われた。
 
2002. 6.22〜26 「大湖沼への地球規模の脅威」をテーマに, 工場や農地からの有害化学物質による水質汚染や船のバラスト水に入って生息地外へ侵入する貝やカニ, 外来魚など「移入種」の問題などを討議の中心とする第10回世界湖沼会議がシカゴで開催された。
 
2002.10. -  TBT(有機スズ系)船舶用塗料に関しては, 2001年10月開催のTBT条約外交会議で, 「2003年1月使用禁止, 2008年1月存在禁止」を主内容とする新条約「2001年の船舶の有害な防汚染塗料システムの管理に関する国際条約」が採択された(日本は2003年5月22日衆議院本会議で承認)ことを受け, MEPC48で「検査と証書のためのガイドライン」が採択された。
 
2002.11.13  スペイン北西部ガリシア地方沖で, バハマ船籍で, 1976年に建造されたシングルハル仕様のタンカー「プレスティージ号」が破損, 漂流し, 19日に沈没した。このタンカーには77,000トンの重油が積まれており, 10,000トン以上が流出。流出した油は海岸に漂着し, 多くの汚染や汚濁を生んだ。
 IMOは2003年から2007年内を目途に, 1982年以前に建造されたシングルハルタンカーを順次フェイズアウトさせる計画だが, 今回の事故で, EUはシングルハルタンカーのフェイズアウト時期をさらに早める動きをとった。
 
2002.12. 9〜14 UNEP第6回バーゼル条約締約国会議(ジュネーブ)で「解撤船舶の国境間移動と有害物質の適切な処理方法に主体を置いたテクニカルガイドライン」が採択された。その他では, IMO第23回総会(2003年11月)での採択を目指す「決議とそれに付帯する船舶リサイクルガイドライン」や, 国際労働機関(ILO)理事会(2003年末)での採択を目指す「船舶解撤に係わる労働安全衛生に関するガイドライン」の審議が重ねられており, それぞれの国際機関が所掌する課題と役割を踏まえて, 国際的な海洋環境保護と作業者の安全・衛生対策の枠組み作りを目指している。
 
2002.12.13  ボルチック国際海運協議会(BIMCO), 国際海運会議所(ICS), 国際独立タンカー船主協会(INTERTANKO), 国際ドライカーゴ船主協会(INTERCARGO)の国際4団体は11月13日スペイン沖で発生したバハマ船籍のタンカー「プレスティージ号」の事故を受け, EUメンバー国にIMOルールと国際規制の原則を尊重するとともに, 地域主義的な対策を回避するよう求めた
 
2002.12.15  OECDは, パリで海運委員会・同非公式会合を開いた。それによると, 「プレスティージ号」の事故を受け, シングルハルタンカーの航行規制を求める欧州に対し, 日本は地域主義的規制に対して懸念を表明した。統一見解は得られなかった。
 
2002.12.20  EUは, シングルハルタンカーのEU内港湾への入港を禁止するなど, 海洋環境保護の強化に向けた規制を発表した。第1ステップは法制化, 2003年3月までには発効するよう欧州理事会と議会に求めた。
 
2003. 3.27  EUの運輸閣僚理事会は, 重質油を輸送するシングルハルタンカーのEU内港湾への入港を禁止するなど, 欧州委員会が作成した規制案を承認した。小型タンカーの規制を緩めるなどの一部修正はされているが, 議会審議を経て発効する。理事会では500〜5,000重量トンの船舶への適用は2008年からと規制緩和。
 
2003. 4.10  「プレスティージ号」事故を重くみた欧州連合15ケ国と欧州委員会はIMOに対して, シングルハルタンカーのフェイズアウトを2〜5年前倒しし, 600載貨重量トン以上のシングルハルタンカーによる重質油輸送を禁止すること, 特別敏感海域(PSSA: Particular Sensitive Sea Areas)の指定などをIMOに提案した。7月に開催されるMEPC49で討議され, 年末のIMO総会で採択される予定。
 
2003. 5.12〜16 2002年4月のIMO第84回法律委員会(LEG84)で国際油濁補償基金(IOPC)追加基金の条文が承認されたことを受け, 追加基金設立のための外交会議がロンドンのIMO本部で開かれた。補償限度額は, 7.5億SDR(約1,200億円)となった。
 

「持続可能な開発委員会」CSD(Commission on Sustainable Development)
 アジェンダ21の規定に従い, 1992年の第47回国連総会で, 「アジェンダ21」の着実な実施を国際的に見直し, 今後の行動計画を練っていくための機構として, 経済社会理事会の機能委員会として正式に設立された。
 
ダブルハル
 座礁や衝突などでタンカーの船体が壊れた場合に, 積載した原油などの流出を防ぐために, 船底と船側の構造を二重にしたもの。1989年の「エクソン−バルディス号」の原油大規模流出事故がきっかけとなり, 1992年の73/78MARPOL条約の改正において新造タンカーのダブルハル化などが義務付けられた。
 
バラスト水
 国際航路を行き来するタンカーや貨物船が空荷の時などに, 重しとして専用タンクに積み込む海水。バラスト水は船が寄港先で荷物を積む際に海に排出するので, バラスト水に混入していた生物が本来は生息しない場所に増えて生態系を壊すなど海洋環境への悪影響が問題視されている。
 







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