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(5)バリアフリー化に関するハード面での対応
 各対象港湾のハード面でのバリアフリー対応状況を、港湾管理者別に整理したものが表4-2-1、港湾別に整理したものが表4-2-2である。
 
表4-2-1 港湾管理者別にみるハード面でのバリアフリー対応港湾数
  県管理
の港湾
市町村
管理の
港湾
県管理
の漁港
その他
(避難港)
全体
港湾数 21   9   9   1   40  
ターミナルビル教 17 81% 0 0% 0 0% 0 0% 17 43%
出入口 出入口の有効幅(90cm以上) 17 100%     1 100%     18 100%
車いす対応 16 100%     1 50%     17 94%
乗降用設備 ボーディングブリッジの有無 1 6% 0 0% 0 0% 0 0% 1 3%
同有効幅(90cm以上) 1 100%               100%
タラップの有無 6 33% 4 80% 4 67% 0 0% 14 47%
同有効幅(90cm以上) 3 60% 0 0% 1 25%     4 31%
便所 便所 18 95% 0 0% 4 50% 0 0% 22 61%
出入口(戸)の有効幅(80cm以上) 15 88%     2 67%     17 85%
出入口に段がないこと 16 89%     1 25%     17 77%
床置式小便器(手すり設置) 12 67%     0 0%     12 57%
身障者用便所 16 89%     0 0%     16 73%
乗船券販売所等 乗船券販売所 18 95% 0 0% 3 43% 0 0% 21 64%
券売機 1 5% 0 0% 0 0%     1 3%
待合所 18 95% 2 29% 6 75%     26 76%
案内所 7 37% 0 0% 2 25%     9 26%
出入口(戸)の有効幅(80cm以上) 9 100% 2 100% 4 100%     15 100%
車いす対応 14 74% 0 0% 1 20%     15 54%
車いすでの利用に適した構造のカウンター 7 37% 0 0% 0 0%     7 25%
休憩所   13 68% 1 14% 5 83% 0 0% 19 58%
上記設備間の
床面の高低差
高低差の有無 9 50% 1 17% 7 88%     17 53%
高低差の解消 14 82% 0 0% 1 14%     15 56%
通路 有効幅(140cm以上) 8 50% 0 0% 0 0%     8 44%
車いす対応 16 89% 0 0% 1 50%     17 81%
経路全般 手すりの設置 14 74% 0 0% 0 0% 0 0% 14 54%
床の滑りにくい仕上げ 14 74% 0 0% 0 0% 0 0% 14 54%
車いすでの開閉・通過に対応した戸 15 83% 0 0% 0 0% 0 0% 15 65%
転落防止設備 3 18% 1 17% 0 0% 1 100% 4 13%
案内設備 視覚障害者誘導用ブロックの敷設 13 68% 0 0% 0 0% 0 0% 13 39%
運航情報提供設備 1 5% 0 0% 0 0% 0 0% 1 3%
主要設備の案内板等の案内設備 9 47% 0 0% 2 33% 0 0% 11 34%
点字案内板、触知図等の案内設備 3 16% 0 0% 0 0% 0 0% 3 9%
注1)各項目の比率(%)は、当項目に回答のあった港湾数に対する比率であり、「港湾数」欄の数値に対する比率ではない。
注2)出入口、通路の有効幅等については、「移動円滑化基準」をもとに対応状況を区分した。
 
表4-2-2
港湾施設におけるバリアフリー化への対応状況
(拡大画面:45KB)
注1)港湾種別:1.県管理の港湾、2.市町村管理の港湾、3.県管理の漁港、4.その他
※市町村管理の漁港は該当なし
注2)鹿児島港(本港南埠頭)については、種子・屋久方面へのフェリーが発着するターミナルの状況であり、三島航路と十島航路の各ターミナルの状況は含まれていない。
 
(拡大画面:48KB)
 
地区 No. 港湾名 経路全般 案内設備
手すり
の設置
床の滑
りにくい
仕上げ
車いす
での開閉・
通過に対
応した戸
転落防
止設備
視聴覚
障害者
誘導用
ブロック
の敷設
運航情
報提供
設備
主要設
備の案
内板等
の案内
設備
点字案
内板、
触地図
等の案
内設備
本土 1 鹿児島港
(本港北埠頭)
対応済 未対応 対応済 未対応 対応済 なし あり なし
2 鹿児島港
(本港南埠頭)
対応済 対応済 対応済 未対応 対応済 なし なし あり
3 鹿児島港
(新港)
対応済 対応済 未対応 未対応 対応済 なし なし なし
4 串木野港 対応済 対応済 対応済 対応済 対応済 なし あり あり
5 浦之前港
(桜島町)
  未対応 未対応 対応済 未対応 なし なし なし
北薩 6 里港 対応済 対応済 対応済 未対応 対応済 なし あり なし
7 中甑港 未対応 未対応 該当なし 未対応 未対応 なし あり なし
8 長浜港 対応済 対応済 対応済 未対応 対応済 なし あり なし
9 手打漁港 未対応 未対応 未対応 未対応 未対応 なし なし なし
10 蘭牟田漁港 未対応 未対応 未対応 未対応 未対応 なし なし なし
鹿児島 11 新島港 未対応 未対応 未対応 対応済 未対応 なし なし なし
12 竹島港 未対応 未対応 未対応 未対応 未対応 なし なし なし
13 硫黄島港 未対応 未対応 未対応 未対応 未対応 なし あり なし
14 大里港           なし なし なし
15 片泊港           なし なし なし
16 口之島港     該当なし 未対応 未対応      
17 中之島港     該当なし 未対応 未対応      
18 平島港     該当なし 未対応 未対応      
19 諏訪之瀬島港     該当なし 未対応 未対応 なし なし なし
20 悪石島港     該当なし 未対応 未対応 なし なし なし
21 小宝島港     該当なし 未対応 未対応 なし なし なし
22 宝島港 未対応 未対応 該当なし 未対応 未対応 なし なし なし
熊毛 23 西之表港
(県営)
対応済 対応済 対応済   対応済 なし なし なし
24 西之表港(いわ
さきコーポレー
ション)
対応済 未対応 対応済 対応済 未対応 なし あり なし
25 島間港 対応済 対応済 対応済   対応済 なし なし なし
26 宮之浦港
(本港)
未対応 対応済 対応済 未対応 対応済 なし あり なし
27 宮之浦港
(火ノ上山)
               
28 口永良部漁港                
29 安房港 未対応 対応済 対応済 対応済 未対応 なし あり なし
奄美 30 名瀬港
(新港)
対応済 対応済 対応済 未対応 対応済 なし なし なし
31 名瀬港
(旧港)
               
32 古仁屋港 未対応 未対応 該当なし 未対応 未対応 なし なし なし
33 湾港 対応済 対応済 未対応 未対応 未対応 なし なし なし
34 亀徳新港 対応済 対応済 対応済 未対応 対応済 なし あり なし
35 平土野港 対応済 未対応 対応済 未対応 対応済 なし なし なし
36 和泊港 対応済 対応済 対応済 未対応 対応済 あり あり あり
37 伊延港                
38 知名漁港         未対応 なし なし なし
39 与論港
(供利地区)
未対応 対応済 対応済 未対応 未対応 なし なし なし
40 与論港
(茶花地区)
未対応 未対応 未対応 未対応 未対応 なし なし なし
41 桜島港 対応済 対応済 該当なし 対応済 対応済 なし なし なし
 
■県管理の港湾では、各設備の有効幅の確保、段差解消、身障者用便所などにほぼ8割以上で対応済。一方、転落防止設備や案内設備の設置は遅れる。それ以外の港湾・漁港等ではほとんど対応なし
 
(1)出入口
 出入口の有効幅については、回答のあった全ての港湾において、90cm以上確保されている。また車いす対応も9割以上でなされている。
 
(2)乗降用設備
 ボーディングブリッジは名瀬新港に設置されている。タラップについてみると、90cm以上の有効幅を確保しているのは県管理の港湾では6割、県管理の漁港では1/4で、市町村管理の港湾では全く対応がない。
 
(3)便所
 便所は、6割の港湾に設けられている。県管理の港湾におけるバリアフリー対応状況をみると、出入口の有効幅、段差とも約9割で対応済である。床置式小便器は2/3、身障者用便所は約9割に設置されている。
 一方、県管理の漁港では便所は半数に設置されているが、床置式小便器や身障者用便所は設置されていない。また出入口の有効幅を確保しているものは2/3、段差の解消がなされているものは1/4であり、県管理の港湾に比べてバリアフリー化への対応は低い状況にある。市町村管理の港湾や、その他の港湾(避難港)には、便所は設置されていない。
 
(4)乗船券販売所等
 乗船券販売所は全体の約6割、待合所は3/4、案内所は1/4に設置されている。券売機が備えられているのは、湾港(喜界町)のみである。
 出入口の有効幅についてみると、回答のあった全ての港湾において80cm以上を確保している。しかし、車いす対応がなされているのは全体の約半数、車いす使用者の円滑な利用に適した構造のカウンターを備えているものは1/4にとどまっている。
 
(5)休憩所
 休憩所は県管理の港湾の約7割、県管理の漁港の8割以上に設置されている。一方、市町村管理の港湾では、1港湾にしか設置されていない。
 
(6)高低差の解消
 各設備間の移動経路における床面の高低差についてみると、県管理の港湾においては約8割で段差が解消されているものの、それ以外ではほとんど対応がなされておらず、全体では約半数にとどまっている。
 
(7)通路
 各設備間の移動経路となる通路の有効幅は140cm以上必要であるとされているが、市町村管理の港湾と、県管理の漁港では全く対応はなされておらず、県管理の港湾においても半数にとどまっている。車いす対応については県管理の港湾の約9割で対応がある。
 
(8)経路全般(手すりの設置、床の滑りにくい仕上げ、車いすでの開閉・通過に対応した戸、転落防止設備)
 県管理の港湾では、手すりの設置や床の滑りにくい仕上げについて、3/4で対応がある。また、出入口、通路、便所等に戸を設置する場合に、車いす使用者が容易に開閉・通過できる構造の戸を有するものは約8割である。一方、市町村管理の港湾や県管理の漁港では全く対応がなされていない。
 また、転落防止設備が設置されているのは全体の約1割にとどまっている。
 
(9)案内設備
 市町村管理の港湾では案内設備に全く対応がなく、県管理の漁港では主要設備の案内板等の案内設備が1/3に備えられている他は、全く対応がなされていない。
 県管理の港湾においては、視覚障害者の誘導用ブロックの敷設は約7割で対応しているが、主要設備の案内板等の案内設備は半数以上で未対応である。運航情報提供設備や点字案内板、触知図等の案内設備も未対応の場合が多く、どちらも全体では1割に満たない。
 
(10)その他の取り組み
 対象港湾のハード面において、バリアフリー化対応として取り組んでいることとして、「ボーディングブリッジの設置を要望」(徳之島町)、「歩道、日除け、歩道柵等への設置について、県へ要請」(与論町)との回答があげられた。
 
(11)総括
 各港湾におけるハード面でのバリアフリー化への対応状況は、管理主体により大きな差がみられた。具体的には市町村管理の港湾や、県管理の漁港、市町村管理の避難港では、ほとんどバリアフリー化への対応がなされていないのに対し、県管理の港湾では、各設備の有効幅の確保、段差解消、身障者用便所の設置等にほぼ8割以上で対応がある。ただし、各設備間の移動経路となる通路の有効幅については、県管理の港湾でも140cm以上が確保されているのは半数にとどまっている。転落防止設備や案内設備は対応が遅れている。







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