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平成14年度
『団員拡充モデル事業の指定を受けて』
日本海洋少年団愛知県連盟
 
 平成14年度6月1日に、日本海洋少年団連盟から団員拡充モデル事業の実施についての実証団の指定を受けました。モデル事業として日本海洋少年団連盟からは、「近年、少子化現象、塾通いの激化、経済の低迷、あるいは青少年犯罪の多発など、青少年団体をめぐる社会的環境には大変厳しいものがあるが、一方では本年4月からの完全学校週5日制の実施に伴い、子どもたちの社会体験や自然体験への参加の必要性が叫ばれており、海洋少年団としては、なお一層の組織拡充を図り、地域社会に密着した活動を展開して社会の期待に応える必要があり、したがって、当連盟では特に平成10年から、団の組織及び活動の活性化対策に取り組んでいるところであるが、平成14年度には、その一環として、団員拡充モデル事業を実施する」との趣旨が示された。
 具体的な目的としては、全国一律の団活動から地域特性に適応した団活動への転換、子どもや親の目線に立った活動の展開、団活動の「訓練」的イメージからの脱却、キャンプなどの自然体験や海浜清掃など環境保全ボランティア活動の充実などを行い、地域の青少年育成や海事思想の普及に貢献するとともに、あわせて団員の拡充を目指すものとする。として、今年度はモデル事業実施団として、名古屋地区では名古屋海洋少年団と中日海洋少年団が指定を受けることになった。
 実証団には連盟から整備器材として、カヌー5隻とキャンプ用品セットを配備いただきこれを積極的に活用することも指示された。
 名古屋地区として全国最初のモデル事業実証団として、できるだけ趣旨にそった活動を展開すべく、検討し年間計画の練り直しをして、別紙の年間スケジュールの中にモデル事業を取り入れ1年間実施してきました。
 モデル事業として、次の10(内7つは名古屋団関係)の事業を実施してきました。
(1)として、月2回のカヌースクールと8月に練習成果としてカヌー・フェスティバルに参加。
(2)として、夏休みにラフティングとカヌー・水遊び・魚取りができるキャンプを岐阜県郡上郡美並村と郡上八幡で3泊4日で実施。
(3)として、一般青少年と親子を対象に中部海事広報協会主催でヨット体験講習に参加。
(4)として、愛知県連主催で、親子カッター教室を実施。
(5)として、愛知県連盟主催で10月に第1回名古屋カッター交流会を実施。
(6)として、名古屋団主催で、11月に親子カヌー・カッタースクールを実施。
(7)として、名古屋港主催と愛知県連盟協力で11月にフレンドリーポートに参加。
(8)として、11月に野外活動センターにて飯盒炊飯とゲーム・フィルドアスレチックス体験のディキンャプを実施。
(9)として、2月にチャオ・御岳スキー場でスキースクールを実施。
(10)として、3月にカナダのバンフとバンクーバー交流の旅で、スキー・犬ぞり・カーリングと現地の子どもたちとの交流を実施予定。
 重点的事業については、募集案内のチラシを作ったり、無料で掲載していただける新聞の行事欄に募集案内をしてきました。
 事業に参加された子どもや親御さんには、大変魅力的で海洋少年団活動のPRの効果は大きかったと思います。この成果をふまえて来年度も多くの行事に一般青少年や親御さんが参加できる活動をしていきたいと思っています。
 来年度以降でモデル事業実証団の少しでも参考となればと1年間実施してきました事業内容を報告させていただきます。
 
団員拡充モデル事業実施報告
1. 実施期間 平成14年6月1日〜平成15年3月31日
2. 実証団 名古屋団・中日団及び愛知県連盟
3. 実施目的
(1) 海洋少年団が核となって、地域の小・中学生及びその親を招待して、海洋活動や自然体験活動を行い、地域の親子に海洋思想を普及する。
(2) 一般の親子を対象をしたアンケート調査の実施、部外有識者を含む指導者会議の開催並びに地域の関係行政機関や開示関係団体・法人等との協力連携の在り方の探求等により、伊勢湾(三河湾)沿岸の海洋少年団の段活動の在り方を検証することによって、当地区の海洋少年団の活性化を図るとともに、団員の拡充を目指す。
4. 実施結果
(1)海事思想の普及活動事業
(1)カヌー・フェスティバル(名古屋団)
<事業概要> 日時 平成14年8月18日 午前9時30分
場所 木曽三川公園
参加人数 63名(内団関係者28名)
事業内容 別紙事業報告(その1)を参照
(2)郡上郡美並村キャンプ(名古屋団)
<事業概要> 日時 平成14年8月20日〜8月23日
場所 ふくべの里粥川バンガロー
参加人数 52名(内団関係者20名)
事業内容 別紙事業報告(その2)を参照
(3)ヨット体験講座(名古屋団・中日団)
<事業概要> 日時 2002/09/01
場所 武豊亀崎港ヨットハーバー
参加人数 80名(内名古屋・中日団関係者40名)
事業内容 別紙事業報告(その3)を参照
(4)親子カッター教室(愛知県連)
<事業概要> 日時 2002/10/06
場所 海洋トレーニングセンター
参加人数 30名(内県連関係者18名)
事業内容 別紙業報告(その4)を参照
(5)第1回名古屋カッター交流会(愛知県連)
<事業概要> 日時 2002/10/20
場所 海洋トレーニングセンター
参加人数 102名(内県連関係者10名)
事業内容 別紙業報告(その5)を参照
(6)親子カヌー・カッター教室(名古屋団)
<事業概要> 日時 2002/11/03
場所 海洋トレーニングセンター
参加人数 親子15組74名(内団関係者32名)
事業内容 別紙事業報告(その6)を参照
(7)名古屋港フレンドリーポート(愛知県連)
<事業概要> 日時 2002/11/04
場所 名古屋港ガーデン埠頭
参加人数 380名(内中日団関係者39名)
事業内容 別紙業報告(その7)を参照
(8)野外活動センターでのディキャンプ(名古屋団)
<事業概要> 日時 2002/11/24
場所 武豊野外活動センター
参加人数 78名(内団関係者25名)
事業内容 別紙事業報告(その8)を参照
(9)日帰りスキースクール(名古屋団)
<事業概要> 日時 2003/02/16
場所 チャオ御岳スキー場
参加人数 30名(内団関係者17名)
事業内容 別紙事業報告(その9)を参照
(10)カナダ交流と大自然の旅
<事業概要> 日時 平成15年3月25日〜3月31日
場所 カナダ・バンフとバンクーバー
参加人数 20名(内団関係者8名)
事業内容 別紙事業報告(その10)を参照
 
(2)地域特性に適応した団活動の在り方の検証事業
(1)アンケート調査
<調査結果分析> 海事思想の普及活動事業報告の中でアンケート調査をした事業については、全ての事業報告をした最後に全体集計および分析とまとめをつけてあります。
(2)地域指導者会議(第1回)<会議概要>
日時 平成14年9月1日 午後1時00分〜8時
場所 愛知県青年会館
参加人数 団長・副団長・指導者19名
会議内容討論内容  ・午後1時00分〜16時30分
40歳以下の指導者を中心とした討論
名古屋団:藤倉信一郎
中日団:富田隆信・伊藤博樹・島田紘嗣・水野早苗・岡村啓裕
渥美団:河邉加代・安田美宣・富田直弘
豊橋団:近藤康文・西川和広・大須賀公泰・磯田論志
蒲郡団:嶋田善和
事務局:木下 登
 ・午後16時30分〜20時00分
40歳以上の指導者の下記のメンバーが加わり討論
名古屋団:長谷川眞人
中日団:安藤照夫・林 顕亮
渥美団:河邉寿夫
日本連盟の団員拡充モデル事業の実施についての趣旨、目的を達成するために若手指導者の意見と年配指導者の意見を、互いに共有しあい建設的・発展的な方向性をみんなで見つけていけたらと、下記のテーマで討論をしていただきました。
(1)海洋少年団への入団団員の減少している対策について。
(2)全国一律の団活動から地域特性に適応した団活動への転換について、愛知県地区においてどんなことが考えられるか。
(3)子どもや親の目線に立った活動の展開について団の指導者としてどう考えるか。
(4)団活動の「訓練」的イメージからの脱却をとの意見に対して、それに代わるべき活動内容についてのご意見。
(5)海事思想の普及のために海洋少年団活動をどう活用するか。
(6)若手指導者が辞めないためにどのような援助と養成が必要か。
 上記のテーマで長時間討論を行いました。海洋少年団だけでなく他の少年団体も子どもたちが減ってきていることに対してどのように活動内容も含めて改善していくかを活発に意見交換をしました。いかに海洋少年団の活動を理解してもらうのか、あるいは今の活動が子どもや親の目線に立った活動になっていないか等活動内容の見直しも議論となりました。特に中学生や高校生になるととたんに半減することは、今の受験戦争と言われる学校教育の影響が大であること、また、若手指導者がなかなか定着しない問題も話題になりました。意見交換の中では、もっと現代社会にあった親も理解を示す、国際交流に積極的に取り組むことも活性化には大切なことであるとの意見も出されたが、国際交流そのものに積極的にならない指導者も未だにいることが、活動の活性化を遅らせている原因でもあるとの意見も出された。
 50年間続いてきた活動の伝統にこだわり続ける関係者もいるが、21世紀に何を残し、新たに何を取り組んでいくことが大切かを、きちんと先を見通して取り組んでいくことが、次の世代に繋げる意味で大切であると、この討論で感じた率直な感想である。
(3)地域指導者会議(第2回)<会議概要>
日時 平成15年2月28日 午後6時00分〜8時30分
場所 愛知県青年会館
参加人数 団長・副団長・指導者 15名
名古屋団:藤倉信一郎・長谷川眞人
中日団:富田隆信・安藤照夫・林顕亮
渥美団:河邉寿夫・小久保智広
豊橋団:丸山洋生・中村好孝
美浜団:伊藤修也
武豊団:玉置藤夫
日本連盟:柳田幸三専務・小林 修総務部長
県連盟:木下 登
会議内容  ・午後6時00分〜17時00分
講演「高齢化と少子化時代の青少年活動」
講師 元伊良湖三河湾水先区水先人会会長 谷升男氏
(1)急速に進む高齢化社会の現状と課題
(2)高齢化が進む中での少子化問題での家庭・地域・学校の役割は
(3)学校完全週5日制をどのように過ごさせるか
(4)海を活動の場としている海洋少年団が果たす役割は何か
 以上の講義内容にそって、問題提起をしていただきました。
 ・午後7時15分〜20時30分
 講義のあとディスカッションに移り今何が求められているかの中で、高校生以上が行事に参加できるために、年間を通して年少リーダ等の合宿を行い、互いの横の繋がりと行事の楽しさを自ら作り上げることが必要とされているとの意見が出された。さらに、小学生低学年対象になってきている行事を、内容を分けて中学生、高校生対象として、希望を聞きながら一つひとつ実現させていくことが活性化に必要であるとの意見も出された。話し合いの中で、若手指導者から仕事と青少年活動の両立が大変難しく、もっと会社等が理解をしてくれると活動に参加しやすくなるとの意見もあった。
 いずれにしても、少子化の中で子どもが家庭の中で遊ぶことが多くなり、異年齢の子と遊ぶ機会が少なくなっているため、もっと野外への活動に参加できる内容を宣伝して、親にも理解していただける親子行事も企画する必要があるとの意見も出された。これらの意見を新年度の活動に一つひとつ生かしていけるようにすることを確認しました。指導者会議に参加した若手指導者からも活発に意見が出されました。子どもたちにより近い指導者が積極的に活動に参加して、子どもたちの見本となることがまず必要であるとの意見もあり、これからの活動に期待が持てました。以下に、参加した若手指導者から海洋少年団の活性化についての提言をいただきました。







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