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(2)行政機関の調達(非公共事業)への適用
 地方公共団体においても、電子調達の導入により、一般企業と同様に非常に高い効果が早期に得られやすい領域であると思われる。
 すなわち、単なる業者とのやりとりの電子化にとどまるのではなく、調達ルールや購買部門の役割などの見直しを含む抜本的な業務改革につながるものであること。さらに、「場」は既存のものを利用することも可能であり、また、自治体が自前で作る場合でも、県単位等で共有することによって一層の効率化を図ることも可能であると考えられる(コスト削減効果を出すには、ある程度の規模が必要)。
 
(e−マーケットプレイス導入の効果)
○調達コストの削減
○業務プロセスの高度化
○業務プロセスの効率化
 
eマーケットプレイスのイメージ
・調達事前準備段階での業者情報の管理、品目/業者カタログの管理、仕様書等の各種文書雛型の管理から、案件の起案、承認、発注、
・契約、納品確認、支払い処理にいたる調達プロセスを全て電子的にサポート
・案件の起案と承認など、権限に応じた担当の設定、担当者間の作業順序などはシステムによって管理されている(ワークフローマネジメント
・後処理の会計情報の作成と会計システム等機関システムとの連携
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(電子化による調達プロセスの変化)
 
○これまでの調達プロセス
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(3)導入に当たっての地方公共団体の反応
 地方公共団体に、eマーケットプレイスの構築の提案をした場合、概ね次のような反応が返ってくることが多いようである。
○「会計規則上、調達は都度行いが原則であり、カタログ等を活用した単価契約は例外措置であり、現在の行政機関の調達にはなじまない。
○地域の零細企業保護を目的に、各地域での個人商店に発注しているケースが多い。電子調達によって、大企業との取引が増え、地元中小企業を切り捨てることにつながる。
○すでに、官庁向け特別価格等を活用し、十分に安く調達している。
○今は電話一本で済む。電子化は安くならないばかりか、内部業務の効率化にもならない。
 
 しかしながら、電子調達のメリットは、調達プロセスも含めた効率化・透明化であり、調達プロセス全体をもう一度見直してみて、効率的な仕組みを検討してみてはどうだろうか。
 
 また、中小企業保護といった政策面での配慮について、後述する米国の事例にもあるように、電子調達システムにおいても、一定割合の調達を地元の中小企業に割り当てることにより、政策目的を達成することは可能である。







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