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b. 構内の移動
(視覚障害者)
 
<エレベーター>
営団南北線
○エレベーターの場所がわかりにくい。ホーム中央部に何カ所か大きな施設が設置されているため、視覚障害者誘導用ブロックで誘導されていても、エレベーターがどこにあるのかがわかりにくい。
○かご内の行き先階ボタンがB1、B3となっている。点字も同様の表示なのでどこへ行くのかわからない。特に地下鉄では今何階にいるのか把握していないので不便。(墨字ではそれぞれホーム、改札口というシールが貼られていた)点字も同様の内容が必要。
 
<エスカレーター>
営団南北線
○エスカレーターに視覚障害者誘導用ブロックで誘導されていないため、場所がわかりずらい。音声での案内をあればわかりやすい。
○エスカレーターは改札から最も近いところにあるが誘導されず不便だ。
 
<階段>
JR中央線
○(JR飯田橋駅構内は右側通行だが)「右側通行です」という放送がないと階段で左側を通行してしまう。改札の外では放送は聞こえたが、階段を上る直前には聞こえなかった。階段の前でくり返し放送してほしい。
営団東西線
○階段は上り下りの通行区分があっても視覚障害者誘導用ブロックは片側にしかない。逆方向の人とぶつかる。
○手すりについた点字の案内の位置が、階段が始まる位置の視覚障害者誘導用ブロックと合わせた位置になっている。手すりは階段が始まるよりも数十センチ手前に出ているのでその位置を手で探って点字がないと、点字表示のついていない手すりだと思ってしまう人がいるだろう。点字表示の位置と視覚障害者誘導用ブロックの位置が合っていることはいいが、点字表示までの距離は工夫が必要。(手前にもう一つ同じものを付けるなど)
都営大江戸線
○階段手すりの点字表示は、よく利用する。
○階段は音響案内がないと、場所がわからない。
○エスカレーターと階段の仕切壁の上端が手前に出ている(ハングオーバーしている)のでぶつかる可能性がある。下端は奥に入っているので杖で検知できない。
○壁は垂直におろした方がいい。
○段鼻のところは全面的に色を付けて欲しい。端だけではダメ。
○階段手すりの点字案内は「島ホーム」という説明があるなど丁寧だ。しかし、飯田橋の場合、長い通路を経てホームになる。通常は階段を下りたらホームなので、電車の音も良く聞こえるこの駅ではホームと勘違いし、通路で電車を待ってしまう可能性もある。例外的な構造の駅ではその案内が必要である。
営団南北線
○階段手すりの点字表示はわかりやすい。ただし、ホームのどちら側に乗り換え口があるか、改札口名がわからない。
 
<トイレ>
JR中央線
男女の別がわからない。
営団東西線
○視覚障害者誘導用ブロックはわかる。
○女子用のトイレの入り口が少しわかりにくい。表現内容が適切でない(「女子トイレは左奥、右手にあります」)。しかし、広い場所ではないのでわかる。トイレまでの誘導はいいが、点字案内版がどこにあるかはわからない。
都営大江戸線
○トイレでの視覚障害者誘導用ブロックが途中とぎれているため、わかりにくい。
トイレは触知案内板が設置されていても、されていなくても、設置されている箇所がわからない。
トイレには男女別の音声案内があった方がよい。
○トイレへの視覚障害者誘導用ブロックがとぎれている。この程度のスロープなら警告ブロックで切る必要はない。
(ゆるいスロープ部分があるため上端と下端で警告ブロックにして、誘導を行っていない。)
※基準を杓子定規に解釈し、わずかなスロープでも警告ブロックを敷設したため却ってわかりにくくなってしまった例。被験者は誘導が途切れたことでいずれも戸惑っていた。
トイレ入り口前への誘導がない。トイレの前と思われる場所に到達してもどこが入り口か、男女の別かなど理解できない。(男性用、女性用の入り口の壁に小さな点字案内があったが検知できなかった)
○便所の全体構造の触知案内板と男女の別の案内は近づけて一緒に表示すべき。
○(男性用)中も奥が深いので便器のある場所に行くのに迷う。
営団南北線
トイレの触知案内板の場所がわかりにくい。点字情報だけで充分であるが、点字があるかどうかがわからない。音声による案内があるとよい。
○点字表示はわかりやすい。(左から女性用、多機能、男性用の入り口があり構造がわかりやすいため)
○トイレの構内図はないが、実際は急いでいる時にそんなものは探していられない。  
 
(聴覚障害者)
 
<エレベーター>
営団東西線
○駅全般として、重量オーバーの表示やランプがあるとよい。音だけだと気付かず、恥ずかしい思いをすることがある。
○上りか下りかの表示がなくて分かりにくいことがある。
都営大江戸線
○エレベーター停止ボタンを押したかどうかの確認。
営団南北線
○エレベーター入口のボタンに、「B1改札口 B3ホーム」のみ書かれているが、ホームというのはどこのホームなのか分からない。
 
<エスカレーター>
都営大江戸線
○大江戸線にはエスカレーターが何本かあるが、乗り口がわからない。階段だと深いので行きにくい。
 
<トイレ>
営団東西線
○当駅のように、多目的トイレのサインが青色で表示されていると、思わず男性用かなと勘違いしそうになる。
○トイレに入っている時に、緊急時のサインがあるべきだ。文字表示やパトライトなどがあるとよい。赤いランプだけだと、使用中なのか、緊急事態なのか、判断できない。
○トイレで非常ボタンを押しても分からない。押すことができたか、連絡することができたか分かるようにしてもらいたい。
都営大江戸線
○トイレに入っている時に、緊急時のサインがあるべきだ。文字表示やパトライトなどがあるとよい。赤いランプだけだと、使用中なのか、緊急事態なのか、判断できない。
 
c. ホーム上
(視覚障害者)
 
<ホーム>
JR中央線
放送があっても側方を通過する中央線の音でよく聞こえないことがある。
○放送内容は現状のものでよい。
○番線により男女別の仕分けがされているのでわかりやすい。
○乗降口(ドア位置)は判断しにくい。人の動きで判断している。ドアの前の視覚障害者誘導用ブロックを変えるなど方法は考えられる。
都営大江戸線
○案内放送に関して、乗り換え案内がなければわからない。
○ホームに関して、乗り換え案内でどちらにいけばよいか知らせて欲しい。
○ホームでの案内放送で上り下りを男性・女性の声で分けているのはわかりやすい。
○ホームまでの通路が長いので放送などの案内が必要(「ホームはこの先○○メートルです」など)。
営団南北線
○ホームでは、視覚障害者誘導用ブロックの位置でドアの位置があるので、わかりやすい。
乗り換えの案内では、案内放送でどちらの方面にいけばいいかを知らせて欲しい。京都市営地下鉄では放送している。
○ドアの開く前に駅名放送をしないで欲しい。ドアが開いてからにして頂かないと間違えて向かっていってしまう。
○ホームでの案内放送が上り下りで男女別になっているのはわかりやすい。放送文としては、サイン音があってから放送してもらう方がわかりやすい。  
 
(聴覚障害者)
 
<ホーム>
JR中央線
可変式情報表示装置に事故等の情報を出して欲しい。その場合、理由を出して欲しい、そうでないと、振替輸送を利用すべきかどうかの判断ができない。仕方ないことかもしれないが、電車の音と案内放送の音等が雑音となって、かなり不快である。
○電車の情報を得るため、可変式情報表示装置を多く頼る。
○時刻案内の位置が遠くて見えにくいことがある。もう少し多くあるとよいと感じる。時々迷った時は、人の流れについていくことがある。
○「ドアが閉まる」という案内が聞こえず、慌てているときなど、電車に乗れるか乗れないか判断に迷う時がある。海外に行った時のことだが、電車のドアが閉まる時に3、2、1と数字のカウントが表示されるものがあった。それがあると、いつドアが閉まるのか非常に分かりやすい。
車両の連結や短くなるなどの情報が音声だけだと分からない。乗車中や電車を待っている時も同様である。車両を乗り間違える恐れがあり心配になる。
事故・緊急時の情報もとても必要。視覚情報で知らせてほしい。
○緊急時のシグナルがあったら良い。
営団東西線
可変式情報表示装置に事故等の情報を出して欲しい。
○案内放送は島式のホームで階段の途中とか、例えば「○○番線にまもなく電車が参ります」とかの案内放送があったとき、聞き取れないので「1番線なのか、2番線なのか分からない」という不利益があり、どちらかわかれば急げば間に合ったのに3分くらい損をする。改札口のところで、可変式情報表示装置みたいなもので表示してもらえば便利である。
 (注)このホームが島式であったわけではない。
○乗り換え案内サインは、見ればわかり、困ったことはない。
○非常通報ボタンは、押したらどうなるのか、「スピーカーが喋るとお手上げ」である。
○電車の車体側面は、行き先の表示がないため、まだこういう電車があるのだ。
○駅全般として、緊急ボタンがあってそれを押したとしてもライト等の情報がないと気付けない。
○階段近く、ホーム端の頭上に丸いライトがあるが、電車のドアが閉まりそうになるとライトが点滅し、ドアが閉まるとライトが消える。階段から駆け下りてきた時、ドアの開閉状況が分かって便利だが、このライトに関する情報を聴覚障害者がどのくらい知っているか疑問だ。またこのライトは階段からしか見えないのももったいない。
○当駅の行先表示はもっと数が多くてもよいと思う。遠くて見づらい。
都営大江戸線
可変式情報表示装置は事故等の情報を出して欲しい。文字が小さい。
○案内放送は、1番線、2番線で男女を使い分けているのは、わかりやすい。
○落合南長崎駅を利用しているが、改札口の所で、可変式情報表示装置みたいなもので表示して欲しい。
○当駅は、ホーム向かい側の壁面にある「電車が来ます」の緑の点滅ランプがとても分かりやすい。
○当駅は、サインの文字が全体的に小さい。
営団南北線
○可変式情報表示装置について、ここまでは事故等の情報は出していないのではないかという前提で来ていたが、ここで駅員から「事故等の情報は出している。遅れ等の情報は、放送はするが表示には出していない」旨の説明を受けた。
○案内放送はよくわかる。
○通路幅が狭いところが多く歩きにくい。
○南北線の電光表示は「前駅 前々駅」といつ電車が来るか確認しやすい。駅全般として、車両ドアの上に、行先、時刻表示があるともっと分かりやすいと思う。
○当駅は、一般の人が押せる緊急ボタンがどこにあるか分かりにくい。少ない。ここでは人が落ちることはないだろうが、火事という危険も考えられ、そういう時にすぐ対応できるものが必要ではないか。
 
<総合案内>
JR中央線
○呼び出しボタンが必要
筆談用メモか筆談機が必要
 
<呼出案内>
都営大江戸線
○待ち合わせ時に場所を間違えて友達と連絡が取れず、駅員さんに相談したが、音声での呼出しかできないと言われてしまった。こういう場合はどうしたらよいのか、迷うところである。  
 
d. 車両内
<聴覚障害者)
 
都営大江戸線
車の中に乗り換え案内の可変式情報表示装置があると便利。(他の路線も同様。)
 
e. その他
(聴覚障害者)
 
JR中央線
○FAXはかなり昔に上野駅で使用したことがあった。今はFAXを使いたいと思う人は少なくなってきているのではないか。携帯電話のメールをよく利用する。
○エコモのらくらくおでかけネットで移動方法が分かる。JR東日本、営団、都営いずれも事業情報として運行情報の案内が提供されている。
営団東西線
○駅売店で料金の表示をしてもらいたい。
手話のできる人がいる場合は、その旨を案内してもらいたい。
○自販機の設備に案内だけでなくFAX番号、メール番号も入れてほしい。
都営大江戸線
○電車に乗ってみないと分からない面がある。本日の現地確認に、電車の乗車があったらよかった。
営団南北線
○どの鉄道業者に対しても、聴覚障害に関する知識と、聴覚障害者に対する対応方法をしっかり身に付けてほしい。私たちもそれを伝えていくことが大切だと感じている。
○サインの表記方法が統一されると、内容理解の勘違いもなく、分かりやすくなってよい







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