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2.3 マルチビームデジタル音響測深機データの編集、処理技術の開発研究
 昨年度までに実施したマルチビームデジタル音響測深機データの編集・処理技術の開発研究における研究結果を踏まえ、マルチビームデジタル音響測深機データの編集・処理の開発研究について以下の項目を実施した。
1 デジタル音響測深機データの処理プログラムの開発・作成
2 誤差判別及びデータ編集プログラムの開発・作成
 
2.3.1 デジタル音響測深機データの処理プログラムの開発・作成
 昨年度の研究に引き続き、一般に使用されている浅海用処理ソフトウェアで作成された水深の段彩図に表れる問題点について検討し、デジタル音響測深機データの処理プログラムを開発した。
 
(1)マルチビームデジタルデータの収集
 海洋情報部殿のご協力のもと扇島南東沖及び仙台湾においてマルチビームデジタルデータの収集を実施した。以下にそれぞれの測量実験の内容を示す。
(a)扇島南東沖測量実験
(ア)使用機材
 実験に用いた主な機材を表28に示す。また、機材の船内配置を図78に示す。
 
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図78 「はましお」船内配置
 
表32 扇島南東沖実験概要
実施機関 第三管区海上保安本部海洋情報部
測量船 はましお
収集データ K−GPSデータ
マルチビーム測深データ
海域 扇島南東沖
機材 TSS DMS2−05動揺センサー
Seabat8125 (船首に支柱を用いて仮設)
Seabat8101 (船底装備)
DGPS受信機
GPSコンパス
K−GPS移動点/陸上点用 4000SSE/SSI GPS装置
 
(イ)実験海域
 測量は、扇島南東沖の海域にて実施した。海域を図79に示す。北緯35度28分33.4秒、東経139度44分56.4秒を中心に、反時計周りに30度回転させた区域で実施した。
 
図79測量海域
 
(ウ)取得データ
 データの収録は、「はましお」船上及び「はましお」停泊場所近くのBMにおいて実施した。収録したデータの種類を以下に示す。
 
表29 取得データ
場所 項目 取得データ
「はましお」 TSSDMS動揺センサー 姿勢
Seabat8101 測深、サイドスキャンソナー
Seabat8125 測深、サイドスキャンソナー
GPSコンパス 方位
DGPS受信機 測位
K−GPS移動点 4000SSE/SSI 測位
横浜 K−GPS陸上点 T5700 測位
 
 Seabat8101およびSeabat8125は、それぞれ、HYPACKパソコンとデータ収録用パソコンをLANで接続し、HYPACKパソコンおよび収録用パソコンで収録した。また、データ収録用パソコンに接続したGPSにより、データ収録用パソコンとHYPACK用パソコンの時刻を一致させた。収録概要を図80に示す。
 
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図80 実験データの収録概要
 
(b)仙台湾測量実験
(ア)使用機材
 実験に用いた主な機材は下記の通りである。
 
表30 仙台湾実験概要
実施機関 海上保安庁海洋情報部
測量船 「天洋」搭載艇
収集データ K−GPSデータ マルチビーム測深データ
海域 扇島南東沖
機材 POS/MV型インテグレーテッド慣性航法装置
Seabat8125
傾斜計
DGPS受信機
K−GPS移動点用T5700GPS装置
K−GPS移動点/陸上点用4000SSE/SSI GPS装置
データ収録用パソコン(MBOH−604)
 
 また、機材の船内配置は下図の通りである。
 
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図81 「天洋」搭載艇船内配置
 
(イ)測量海域
 測量は、仙台湾で東経140度55分7秒〜140度55分30秒、北緯37度57分35秒〜37度57分42秒で囲まれる海域と、東経140度59分8秒〜140度59分28秒、北緯38度12分35秒〜38度12分43秒で囲まれる海域の2カ所で実施した。
 
図82 作業海域
 
(ウ)取得データ
 データの収録は、「天洋」搭載艇船上にて実施した。このとき、海洋情報部殿に第二管区海上保安本部屋上に設置された海底地殻変動塩竃基準点データを取得して頂いた。取得したデータの種類を以下に示す。
 
表31 取得データ
場所 項目 取得データ
「天洋」搭載艇     POS/MV型インテグレーテッド慣性航法装置 UTC、姿勢、方位
Seabat8125 測深、サイドスキャンソナー
傾斜計 支柱の傾き
DGPS受信機 測位
K−GPS移動点4000SSE/SSI 測位
塩竃 K−GPS陸上点4000SSE/SSI 測位
 
 船上に設定した機材より収集するデータは、すべてGPSにより時刻を修正したパソコンにて収録した。収録概要を図83に示す。
 
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図83 実験データの収録概要







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