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ISO/TC8/SC 2及びWG 3
国際標準化機構/海洋環境保護委員会及び同環境対応作業委員会
オスロ会議報告書
財団法人 日本船舶標準協会
 
1. まえがき
 ISO/TC8/SC2(海洋環境保護分科委員会)の第8回会議及び同WG3(環境対応作業委員会)会議が、2003年6月4(火)〜6(木)日に、オスロ市のNorwegian Technology Standards Institutionの6階会議室にて開催された。
 今回の会議では、オイルスキマーの性能試験法に関するISO規格原案が主要議題になっており、事前に原案作成担当国(ドイツ)とわが国の間で数回にわたり、Eメールにより内容について質疑応答を行ってきた。
 そこで、日本の意見を一層ISO案に反映させるため、日本の代表として本会環境部会長の徳田廣氏(前 東京大学教授)同会議に御出席いただいたので、ここにその概要について報告する。
 
2. 会議日程
2002年    6月4日(火)    10:00〜16:00(SC2/WG3会議)
    6月5日(水)   9:00〜16:00(SC2/WG3会議)
    6月6日(木)   9:00〜12:30(SC2会議)
 
3. 開催場所
ノルウェー技術標準協会6階会議室
Norwegian Technology Standards Institution
Oscarsgate 20, Oslo,
The Kingdom of Norway
 
4. 出席者
国名 氏名 Status 所属
USA Mr. Angelo, Joseph SC 2 議長 US Coastguard
USA Mr. Newsham, Scott SC 2 事務局 US Coastguard
Germany Mr. Lehmn. W delegate Tedimex
Germany Mr. Jens Jendrossek delegate DIN
Norway Mr. Johannessen B. Olaf delegate Norske Veritaas
Norway Mr. Otto Martin Frotvedt delegate Norwegian Port Control Authority
Japan Dr. Tokuda Hiroshi delegate JMSA
UK Mr. Rickaby Simon delegate DV Howells Ltd.
UK Mr. Howard D. J. delegate UK Coast guard
:Mr. Angelo Josephは、SC 2会議のみ出席した。
 
5. 議題
5.1 SC2会議(SC1N80:添付資料1参照
1. Opening of the meeting (09:00)
2. Roll call of delegates
3. Adoption of the agenda
4. Appointment of the drafting committee
5. Report of the Secretariat
5.1 Status of subcommittee structure, membership and programme of work.
6. Report of Working Group
6.1 Test and certification of oil skimmers.
7. Items for future work
7.1 Test and performance specification for oil water separators (review progress of IMO on this topic)
7.2 Shipboard handling of ship generated garbage.
7.3 Committee discussion of programme of work (See ISO/TC8N1000).
8. Any other business
7. Requirements concerning a subsequent meeting
9. Approval of resolutions
10. Closure of the meeting
 
5.2 SC2/WG3会議(添付資料2参照
 今回会議では、議題案は配布されなかった。
 
6. WG3会議の概要
6.1 6月4日の審議
 当初6月4日(火)は9:00よりNorwegian State Pollution Control Authority(SFT)の試験施設の見学が予定されていたが、同施設のHydraulic Systemに亀裂が見つかり現在閉鎖中とのことで、見学は急遽中止された。会議は10:00から開始の予定であったが、ドイツのMr. Jendrossek氏の到着が遅れたため、同氏の出席を待って、10:30より開始された。
 TC8/SC1事務局のMr. Newshamより、前回ロンドン会議後のオイルスキマーの原案審議等の経過について、次のような報告があった。
・2001年1月23日付でドイツ原案(添付資料3参照)が提出された。
・同案に対し、日本からコメント(添付資料4及び添付資料5参照)が提出された。
・日本の意見を一部採り入れたドイツの再修正案(添付資料6参照)が出された。
・これに対して再度日本(日本船舶標準協会の環境部会の関係委員で対応)からコメント(添付資料7及び添付資料8参照)が提出された。
・さらにこの会議直前にノルウェー案(添付資料9参照)が提出された
・以上のように原案審議はこれまでEメールにより行ってきた。
 
 ドイツから、水静域試験水面を設定するのは、3本のブームで仕切る方法がもっとも簡便で、世界のどこでも可能な方法なのであり、また試験油の性状は温度により変化するので、試験水温及び油温は25℃±2℃としてはどうかなどのコメントがあった。
 WG3の作業をいかに進めるか論議ののち、完成度の高いノルウェーのDNVによる提案を参考にしてみなで検討してみてはどうか。試験水面には静水条件下と動的条件下とがあるが、まずは静水条件下の性能試験法を完成しては,という意見で一致し、パソコンに液晶ヴィジョンをつなげ、スクリーンに写しながら文案を検討した。
 昼食をはさみ、16:00まで作業は続けた。
 
6.2 6月5日の審議
 6月5日は9:00〜16:00まで審議が行われたが完成には至らなかった。UKのMr. Rickaby氏より、残りは、9月にロンドンでIMO/MEPCの会議があり、それに参加するWGメンバーもいると思うので、それにあわせて、ロンドンでWGのミーティングをやってみてはどうか、会場等のアレンジはMr. Rickabyがやるからという申し出があり、一同了承した。
 WG3会議後、WG3オスロ会議の審議済みの箇所(6.3項まで)を修正した原案ISO/WD21072(添付資料10参照)がSC2事務局より各メンバーに送付され、未審議の箇所はロンドン会議で検討するので、事前に原案の内容に目を通しておいてほしい旨の要請があった。
 
7. SC2会議
 SC2会議はDraft Agenda(ISO/TC8/SC2N80:添付資料1参照)を採択後これに従って会議が進められた。検討資料としてISO/TC8N1000 Status Report(添付資料11参照)及びISO/TC8/AGN565(添付資料12参照)を使用した。
 
7.1 SC2事務局報告
 SC2事務局のMr. Newshamから、ISO/TC8N1000 Status Reportに従って、現在のSC2の作業状況について、次のような報告があった。
(1)ISO16446:2002オイルフェンスの接続部が発行された。
(2)オイルスキマー及びオイルフェンスの試験規格(AWI21072)が、スキマー(WD21072)とオイルフェンス(AWI23268)に2分割された。
(3)AWI17989 Temporary storage devicesについて、原案作成の作業進捗が見られないため、ISO/TMB Resolution 8/2001の規定に従ってSC2の作業項目から削除された。
 
7.2 新規標準化項目について
 SC2議長のMr. Angeloから2000年に開催された第6回ブレーメン会議で取り上げたoilwater separatorのSpecificationに関して、IMOでは合意に近づいているが、SC2/WG3での原案作成の進捗状況はどうなっているかについて質問があり、ドイツから、明年6月にハンブルクで予定している次回のTC8/SC2/WG3会議までに草案を配布できるように、shipboard handling of generated wasteの問題を含めて、目下毎月ドイツの国内委員会を開いて検討しているとの報告があった。そこで、SC2としては、2003年3月に開催される第46回IMO/DE会議の結果を待って、SC2として作業を行うこととし、Resolutions 63(SC2N81:添付資料13参照)を採択した。また、SC2議長はShipboard handling of ship generated wasteについては、2002年末を目途に原案作成を完了するようにドイツに要請した。
 
7.3 SC2作業項目のreviewについて(TC8/AGN565:添付資料12参照
 TC8事務局より要請されているSC2所掌の作業項目のうち、Possible proposals for new work itemsとして登録されている項目について、
(1)早急に作業に着手するもの
(2)作業着手を急がないもの
(3)当分保留(dormant)とするもの
(4)他のSCへの作業を移管するもの
の4つのカテゴリーに区分するためのreviewを行った結果、早急に作業着手する項目は無しとしたほか、IMOの動向を見て将来作業を考えるもの(4項目)、将来規格化する可能性のあるもの(15項目)及び他のSCへ移管するもの(2項目)、SC2の所掌項目から削除するもの(17項目)等の区分を行い、この結果をSC2事務局からTC8事務局へ回答することとなった。
 
8. 次回開催予定
 次回のSC2会議は、2003年6月にドイツのハンブルグで、またWG3会議については本年9月26日及び27日にロンドンで開催することとなった。
 
9. 閉会
 SC2議長のMr. Angeloから、SC2事務局のMr. Newshamが、2003年にUS Coast guardを退任するに伴って、SC2事務局も退任する旨の報告があった。
 SC2議長から同氏に対するこれまでのSC2事務局としての貢献及び今回会議のノルウェー側の主催者に対する感謝の意が述べられ定刻閉会した。
 
備考:当該添付資料にポインタを当ててクリックしてください。当該資料が開きます。
以上







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