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4. 測定結果の考察および仮説の検証
4−1. 仮説の検証
 本講座を実施するにあたり、以下のような3つの仮説を設定した。(p4参照
 
■仮説I トレーニング群は非トレーニング群より健脚度の向上がみられる
■仮説II トレーニング群は非トレーニング群よりメディカル面での向上がみられる
■仮説III トレーニング群は非トレーニング群より心理面での向上がみられる
 
 本講座を実施した結果、健脚度では「10m全力歩行」と「最大一歩幅」において、メディカル面では「BMI(体格指数)」「尿酸」「骨密度」において、心理面では生活習慣の「普段からこまめに動く」「腰・背中の痛み」の2項目において、トレーニング群は非トレーニング群よりも明らかな向上がみられ、本講座を実施するにあたり設定した仮説は、部分的にではあるが、支持される結果となった。
 
4−2. 結果の考察
 今回、週2回、3ヵ月間(全24回)の講座を実施したが、3ヵ月間という短い期間にもかかわらず、移動能力(健脚度)の向上や、生活習慣といった自己の心理面での向上が参加者全員に認められたことは、大いなる成果であった。
 今後、長期にわたって本講座を実施した場合には、バランス能力の向上、HDL(善玉)コレステロール値の向上等、さらに期待できる効果が多数あるものと思われる。
 また、今後同様の講座を実施する場合には、長期的な変化を把握していくためにも、参加者数をある程度確保し、測定結果を随時データベース化していく必要がある。さらに、体脂肪率測定、骨密度測定、血液測定等の測定方法の確立、問診票を高齢者にとって回答しやすい内容・量等に改善することなどの課題も明らかになった。







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