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5. 構造の検討
 
5.1 デザイン
 
 PLBのデザインは、ライフジャケットのポケット等に携帯されることを想定して直方体をイメージしている。更に全体的に丸みを帯びた形状とすることで全体をぼやかし小さく見せている。
 機能デザインとしては、片手で操作が出来ることをイメージし、TESTスイッチ及びLEDは本体正面に配置した。TESTスイッチは、本体を持った状態で指がスイッチに届く距離に配置しているが誤操作防止の為、本体上部を斜めにすることでスイッチを本体よりも内側に入れ、スイッチを押しにくくしている。装置を起動させるメインスイッチは、本体右側面にスライドスイッチとして配置し、ストッパで固定している。
 
5.2 筐体の検討
 
 PLBの筐体構造として、小型・軽量化からプラスチック材料を使用する。プラスチック材料は、種類性能も様々であり、使用条件・使用環境を十分考慮した上で選定しなければならない。現行のEPIRBで使用している材料は、耐候性を重視した材料であり、PLBに使用しても問題が無いと判断する。但し、本装置は小型・軽量であることから運搬などの際に地面に落とされる可能性が高く、万が一落とされても機器の影響を出来るだけ少なくする構造にしなければならない。水面落下時には、落下衝撃に対する応力を分散させる為に、本体形状をなるべく球面にする。
 
5.3 構部品の耐候性
 
 露出金属部は主にSUS-304を用いているが海水環境においては防錆力に不足する場合があり、表面処理を施すかSUS-316等の材料が望ましい。但し、コストアップの要因になるため露出金属部の低減に努めるほうが良いと判断する。
 現行EPIRBのアンテナは、シリコンゴムで被覆している。また、ねじ本数の削減と起動時のスイッチをリードスイッチ化することにより露出金属部をほとんど無くしている。今回の装置でも現行機種と同様に露出金属部を出来る限り無くしている。しかし、運用状態を考慮した場合、ライフジャケット等のバンド等に引掛けることを想定して装置背面に金具を設けているので材料の選定を十分に行わなければならない。
 
5.4 分解防止
 
 PLBを購入し運用する人が本体を分解出来ないように一般の工具ではあけられない工夫が必要である。本体の固定を接着剤などで密閉する方法であれば、運用者は簡単には開けられないが電池交換の際、開けることに時間がかかり不便である。
 一番簡単なのは、ねじをプラス又はマイナスのドライバーような一般工具では開けられないものとし、更にニッパやラジオペンチなどでねじの頭が挟めない様に本体に埋没させる方法が望ましい。








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