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4. 全体の形状の検討
 
3.2項で示したPLBの方向性として、本装置の運用状態は、ライフジャケットのポケットなどに入れることを想定している。また、本装置の起動は自動ではなく手動であり、容易に持てる大きさおよび重さが求められる。
 
4.1 小型化の検討
 
 小型化については、一般的に言われているように、基本は実装密度を高め、筐体の外形寸法(体積)を縮小することとなる。具体的には、プリント基板への部品実装と個々の部品ユニットの配置を最適なレイアウトにすることを検討した。図3.4.3プリント基板実装イメージ図に示すレイアウトが筐体の体積を最も小さくすることが出来る。これを踏まえPLBの大きさは、図4.1.1 PLB外観図に示す寸法となり、この大きさであればポケットに入り、片手でも持てると判断する。
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図4.1.1 PLB外観図
 
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図4.1.2 PLB外観イメージ
 
4.2 軽量化の検討
 
 PLBは、ライフジャケットのポケットなどに携帯されることから軽量化への取り組みは必須条件となる。軽量化への取り組みとしては、電気・機構の部品点数の大幅な削減と筐体を形成している樹脂材料の肉厚をできる限り薄くすることが課題となる。電気部品の中では、電池がもっとも重く使用する電池の小型化が重要である。電池を小型化するには、OCXOの低消費電力型の採用及び121.5MHzの間欠送信等の手段を講じることにより小型化することが出来る。
 機構部品では、本形状を構成する部品点数は極めて少なく軽量化を推進するには樹脂材料の薄肉化が主になると考える。現行のEPIRBでは平均肉厚を3.5mmとしている。これは、EPIRBの水面落下高さを20mと想定した時の値であり、PLBの水面落下高さが5m程度であれば水面落下時の衝撃強度は格段に減り、肉厚を2mmにしても問題無い強度が得られる。
 今回検討したPLB本体の質量は、約450g程度になると予想する。大きさから見れば重量感はあるものの片手でも十分に持てる重さでありライフジャケットのポケットなどに携帯されてもさほど違和感が無い重さと判断する。








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