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2.2.3 第2回作業部会議事概要
 
(1) 開催日時及び場所
 日 時:平成13年12月10日(月)14:00〜16:00
 場 所:海事センタービル第204号会議室
 
(2) 議 題
 
[1] 海上救難用PLB試作品について
 
[2] その他
 
(3) 出席者
 
[1] 委 員
庄司 和民
中村 勝英、安藤 久司、片山 泰夫、蛭子 徹也
 
[2] 関係官庁
佐村 知子(代理:河原 悟)、磯谷 兵衛(代理:柿本 和利)、渡部 典正(代理:那須 繁勲)、高尾 留雄(代理:岡本 顕)
 
[3] 事務局
津田 眞吾、池嵜 哲朗
 
(4) 資 料
 
[1] GM-(01)-2W-1  平成13年度調査研究委員会及び作業部会名簿(修正版)
 
[2] GM-(01)-2W-2  平成13年度第1回作業部会議事概要(案)
 
[3] GM-(01)-2W-3  海上救難用PLB試作品について
 
(5) 議事概要(◎:委員長  ○:委員  △:関係官庁  □:事務局)
 
[1] 国土交通省海事局安全基準課長が「矢萩 強志」氏から「松尾 龍介」氏に、同局舶用工業課長が「木澤 隆史」氏から「田中 圭」氏に、総務省総合通信基盤局電波部衛星移動通信課長が「池田 佳史」氏から「佐村 知子」氏にそれぞれ交代したことに伴い、事務局が、変更した委員会及び作業部会名簿を資料GM(01)2W‐1として提案し、承認された。
 
[2] 平成13年度第1回作業部会議事概要(案)について、事務局が資料GM(01)2W‐2により説明し、これに対して次の質疑応答、意見等があった。
◎ 3ページの上から2行目から「国内における型式承認の際の周波数安定度の測定方法について、・・・」とあるが、これは国内における型式承認の際の周波数安定度測定と、COSPAS-SARSATの周波数安定度の基準との双方に対する意見を述べているものであり、誤解を生じないよう区切りで改行する等の配慮が必要である。
□ そのように配慮する。
 
[3] 議題1「海上救難用PLB試作品」について、中村委員が資料GM(01)1W-3により説明し、これに対して次の質疑応答、意見等があった。
○ 今回計画しているPLBと406MHzイパーブとの相違点は何か。406MHzイパーブと別にあえて406MHzのPLBを開発する意味はどこにあると考えれば良いか。
○ 両者は、基本的には同じである。しかし、PLBによりイパーブ以上の小型軽量化及び低価格化が図れる。また、PLBであれば、申請・付与の手続きが面倒なMID(海上識別符号)も必要なくなる利点がある。PLBは個人用のイパーブとして理解願いたい。
○ 個人の装備として、例えば救命胴衣に格納するといったことを考えると、現在示されている寸法は未だ大きいと思われる。
◎ 現在のイパーブにある121.5MHzの信号を、計画しているPLBについて、やはり必要とするのか、省略しても良いのか。勿論これがない方が機器の構造が簡素化され、小型化できる、また価格的にも安くできるという点を踏まえて検討が必要である。
○ 121.5MHzを使用したポジショニングについて、既にCOSPAS-SARSATは2009年にはサービスを終了することの決定をしている。問題はホーミング信号としての使用であり、これが本当に必要かどうかが問題である。
○ 海保の航空機においては、捜索の場合、121.5MHzのホーミング信号が非常に役立っているとの話も聞く。寧ろサート等よりも役立っているとのことであるが。
△ 勿論121.5MHzのホーミング信号は捜索の上で有効とは考えるが、これを省略することにより、計画しているPLBの価格が安くなり、より多く普及するのであれば、それはそれで意味のあることとも思われる。まして小型船舶の場合、活動海域が沿岸部に限られることから、捜索範囲が狭いという条件もある。
○ 121.5MHzのホーミング信号の機能を機器に付加すること自体は技術的に難しいことではない。しかし、絶対に必要なものであれば、それは勿論入れるが、そうでなければなるべく機能を省略し、小型化、低価格化させていきたいというのが正直なところである。
△ 試作品の段階では、やはり121.5MHzを入れておいた方が良いのではないか。406MHzの信号が上手く受信できず、121.5MHzの方が受信できるというケースも考えられ、406MHz一本に絞るのは現状では未だ危険ではないかという気がする。その後実験の結果等を見て、406MHzだけで十分であれば121.5MHzを削除していくという方法が良いのではないか。アメリカで販売されているPLBは、121.5MHzがオプションとして付けられるようになっている。
○ 基本設計を後に色々と変更するのは大変なことであり、この場で121.5MHzを入れる、あるいは入れないとはっきり決めておく必要がある。
◎ 121.5MHzの必要性は、ホーミング信号としての必要性であり、ここでは「なくても良い」程度で整理しておくのが良いと思う。次に浮揚性については、アンテナが水中に浸かった状態では電波が伝播しない訳であり、海上において大きな問題と考える。少なくともアンテナを水面上に出す程度の浮揚性が必要ではないか。
○ 使用をどのように想定するかによって、変わってくると思う。例えば船上での使用であれば浮揚性は必要ないし、ライフジャケットに装着するのであれば、これもPLB自体には浮揚性を持たせる必要はないのではないかと思う。
○ 計画の機器の寸法は、個人装備にしては大きいし、船体装備としては小さく中途半端なものとなっている。これに浮体を付けると、現在のイパーブとさほど変わらない大きさになってしまうと思う。SARTの場合は十分に小型化されているため、ライフジャケットに付ける個人装備とした。
○ 現在計画しているPLBは、水面に横になった状態で浮くことはできる。しかし、これを立たせて、正常に電波を飛ばすことができるようにするには、錘と浮体が必要であり、更に大きく重いものになってしまう。逆に沈んでしまっても良いのであれば、寸法はもっと小さくできる。
○ 船体に装備しておいて、有事の際にそれを持って出るというのであれば、現在の小型船用イパーブと何ら変わらないのではないか、まして浮揚性がなければ小型船用イパーブの方が優れているといえる。
◎ 結局、現在の状況を連絡するためには、携帯電話も持って出る必要があるということになるのではないか。
○ 本日見て頂いているのは、図面上だけであり、なかなか寸法の実感が湧かないのではないかと思う。次回は、モックアップを提示したいと考えているので、それを見て検討頂きたい。
◎ 色々な条件を考えると、取り敢えず浮揚性については、提案どおり何とか水面に浮く程度として検討を進めることとする。
○ 誤って落水させた場合の回収を考えると、少なくとも水面に浮くものでなくてはならず、できればライフジャケットに装備できるものが望ましいと考える。
◎ その他の仕様については、当面提案のとおりで良いのではないかと考える。問題は、国内での制度、基準であり、主管庁の判断で可能な部分は良いが、国際的な基準についてどうすべきか。
△ 国内の基準については検討の余地があるが、COSPAS-SARSATの基準について、現状での交渉は容易なことではないと思う。
◎ 次回作業部会までに試作品の具体化を進めるとともに、問題点を整理して頂き、次回作業部会において検討することとする。
 
[4] その他特段の意見なく、作業部会を終了した。
 
[5] 作業部会終了後、(株)日本緊急通報サービスが携帯電話を利用した緊急通報サービスシステムについて、またカシオ計算機(株)がGPS内蔵携帯電話についてそれぞれプレゼンテーションを実施した。








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