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2.2.2 第1回作業部会議事概要
 
(1) 開催日時及び場所
 
 日 時:平成13年8月28日(火)14:00〜16:30
 場 所:日本海難防止協会会議室
 
(2) 議 題
 
[1] 小型軽量及び低価格イパーブの具体化について
 
[2] PLBの海上救難用としての導入について
 
[3] 既存の通信システムの活用について
 
[4] 携帯電話の海上での使用について
 
[5] その他
 
(3) 出席者
 
[1] 委 員
庄司 和民
荒井 郁男、中村 勝英、原 美都雄、蛭子 徹也、長屋 信博(代理:待場 純)
 
[2] 関係官庁
池田 佳史(代理:小関 幸一)、河原 悟、渡部 典正(代理:那須 繁勲)、高尾 留雄(代理:岡本 顕)
 
[3] 事務局
津田 眞吾、池嵜 哲朗
 
(4) 資 料
 
[1] GM-(01)-1W-1  平成13年度調査研究委員会作業部会名簿(修正版)
 
[2] GM-(01)-1W-2  平成13年度第1回委員会議事概要(案)
 
[3] GM-(01)-1W-3  平成13年度調査研究の具体的方策
 
(5) 議事概要(◎:委員長  ○:委員  △:関係官庁  □:事務局)
 
[1] 全国漁業協同組合連合会漁政部長が「宮原 邦之」氏から「長尾 信博」氏に交代したことに伴い、事務局が、変更した委員会及び作業部会名簿を資料GM(01)1W‐1として提案し、承認された。
 
[2] 平成13年度第1回委員会議事概要(案)(GM(01)1W‐2)について、事務局がこれについては第2回委員会において審議いただくが、何か指摘等があればそれまでに連絡いただきたい旨依頼した。
 
[3] 議題1「小型軽量及び低価格イパーブの具体化」について、事務局が資料GM(01)1W‐3により説明し、これに対して次の質疑応答、意見等があった。
○ より一層の小型軽量化を図るのであれば、小型船舶の活動海域の現状を勘案し、作動時間を現行の24時間から例えば半分の12時間に短縮するといった方法も考えられる。
○ それは尤もであるが、現在COSPAS-SARSATが定めている基準が作動時間24時間以上であり、先ずこの基準を満たさなければならないという問題がある。
◎ 現在の小型船用イパーブは、自動離脱装置がない分価格的には安くなっている訳であるが、瞬時の転覆等の場合対応できないことが欠点となっている。また、価格としては、現在の10倍規模での生産を仮定しても、現在の半分程度の約10万円であり、ユーザーの購入意識(5〜6万円程度)とはまだかなりの開きがある。
○ 自動離脱装置について、「2年毎に交換の必要がある」と資料にあるが、確かに2年毎にセンサーを交換しなければならない外国製品もあるが、有効期限4年のもの、或いは無期限のもの等様々であって表現が適切ではない。
□ そのように修正する。
○ 自動離脱装置については、小型船の場合、転覆した場合でも船体が沈まず、水圧センサーが作動しないという問題もある。
○ 海中転落への対応、例えば海中転落を察知してエンジンが停止する、また自動的に遭難信号が発射されるといった機能を付加しようとすれば、機器の価格が上がり、普及を妨げるという結果になるのではないか。
○ あれもこれもと機能を欲張らず、衛星イパーブについてはあくまで船舶の救難用機器として整理し、海中転落といった事故への対応は、PLB等他のシステムに期待したほうが良い。
◎ これまでの意見を総合すると、わが国においての衛星イパーブの小型軽量化及び低価格化には、限界が見えてくるようであるが、外国製品について現状はどうか。また、外国製品の輸入についてはどうか。
○ 外国製品の中には日本のものに比べかなり小型のものもあるが、価格的にはそれ程安くはないのが現状である。また、外国製品を輸入し、販売するためには型式承認といった手続きが必要ではあるが、基本的には可能である。
○ 外国製品の中には、確かに安価なものもあるが、輸入、流通に掛かる経費を考えると、国内での販売は外国で売られている状態よりは高いものになるのは間違いない。また、購入後のサービスを考えると一概に販売価格の安い外国製品が良いとは言えない。
○ 国内における型式承認の際の周波数安定度の測定方法について、わが国の基準は国際基準に比べて厳しいものとなっているので、これが国際基準並に緩和されれば、価格面に多少は反映できるのではないかと考える。COSPAS-SARSATの性能基準については、緩和されれば製品の価格が安くなるのは勿論であるが、現状ではこの議論をすることは困難である。
□ 周波数安定度の基準を下げた場合に、それが位置の精度にどのように影響してくるかといった資料はあるか。
○ 資料はある。確かに、周波数安定度の基準を下げた場合、位置のばらつきが大きくなるのは事実である。救助活動の迅速化と機器の価格低減の兼ね合いが問題である。
 
[4] 議題2「PLBの海上救難用としての導入」について、事務局が資料GM(01)1W-3により説明し、これに対して次の質疑応答、意見等があった。
○ わが国においては、現在のところPLBの制度自体が未だないので、この制度作りから必要であるということが最大の問題である。
○ 既にかなり小型化されたものもあるし、低価格のものもある。個人個人が携帯することによりイパーブに比べ多くの普及が見込まれ、更なる低価格化も期待できる。また、波及的効果として海中転落事故にも対応できる利点もある。
◎ 小型船用のイパーブと比べた場合の欠点は何か。
○ 水密性が弱い、浮揚性がない、落下基準が緩いといったことが挙げられる。PLBの場合は、主として陸上での個人の救難用機器の範疇といえる。
○ PLBはオーストラリア等では既に広く普及しているが、これまでは121.5MHzの周波数を使用するものが主流であった。しかし、既にCOSPAS-SARSATが121.5MHzの周波数のサービスを止めることが決定しているので、406MHzに順次変更されている。メーカーにとって最大の利点は、一々申請によりIDを得る必要がない点である。
□ 現在あるPLBを加工して、海上救難用として適した試作品というか、何らかの形を作って頂き、最終的にそれを使用して海上での性能実験といったものを行うという方向ではどうか。
○ 試作品というとそれは製品化であり、そこまでは難しいのではないかと思う。ただこういったものができるということを形にして見せる程度のことは可能かと思う。
◎ 現在制度自体がないものなので、これについての海上実射実験ということは認められないのではないか。
○ 実験もできないものであれば、将来PLBの普及が望ましいといった提言に止めるという方法が適当ではないか。
□ 先ほどイパーブのところで話があったとおり、現在のイパーブについて小型軽量化及び安価化を図ってもユーザーの要望とは隔たったところに限界がある。それなら、イパーブに代わるものとしてPLBはどうかという提案をしている次第である。
○ 個人装備を考えると、価格的にまだまだ普及は難しいと思う。船舶用の救命器具として目的を絞っていったほうが良いのでは。
◎ 個人用、船舶用といったことにはそれ程拘らなくても良いのではないか。偶々個人が装備できるような形状のものであれば個人が装備しても良いし、またそれを船舶に装備したとしても勿論良い訳で、遭難通報としての結果は同じである。研究の方向としては、PLBを海上救難用として利用する場合、どういう問題があり、どういった対応が可能であるかといったことを整理して行くことだと思う。
○ 関係官庁の方々にもPLBの導入に係る問題点の検討をお願いしたいと思う。
 
[5] 議題3「既存の通信システムの活用」について、事務局が資料GM(01)1W-3により説明し、これに対して次の質疑応答、意見等があった。
○ 昨年度調査した結果をもとに、今年度は特定の通信システムについて活用を提案するという方向で良いのではないかと思う。
◎ それでは、そういったことで整理をお願いしたい。
 
[6] 議題4「携帯電話の海上での使用」について、事務局が資料GM(01)1W‐3により説明し、これに対して次の質疑応答、意見等があった。
○ 利用可能エリアの明確化については、色々な問題があって難しいようである
◎ 今後携帯電話のサービスエリアをどうすべきか考える上でも、現状の利用可能エリアを明確にすることは不可欠であり、これは是非実施してほしいと考える。
 
[7] その他特段の意見なく、次回第2回作業部会の開催日時を、平成13年12月10日(月)1400からとし、第1回作業部会を終了した。








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