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2.2 平成13年度
2.2.1 第1回委員会議事概要
 
(1) 開催日時及び場所
 日 時:平成13年6月26日(火)14:00〜16:30
 場 所:日本海難防止協会会議室
 
(2) 議 題
 
[1] 今後の調査研究の方針について
 
[2] その他
 
(3) 出席者
 
[1] 委 員庄司 和民、
荒井 郁男、高橋 勝、中村 勝英、安藤 久司、原 美都雄、片山 泰夫、蛭子 徹也、西沢 徹、小坂 智規、山崎 保昭、古屋 博司、喜多 一記
 
[2] 関係官庁
木澤 隆史(代理:村上 崇)、伊藤 茂(代理:金子 純蔵)、池田 佳史、板垣 正志、渡部 典正(代理:三國 利弥)、高尾 留雄、岡本 顕
 
[3] 事務局
津田 眞吾、児林 秀雄、池嵜 哲朗
 
(4) 資 料
 
[1] GM(01)1-1 平成13年度調査研究委員会及び作業部会名簿
 
[2] GM(01)1-2 平成13年度調査研究事業計画
 
[3] GM(01)1-3 平成13年度の調査研究方針について
 
(5) 議事概要(◎:委員長  ○:委員  △:関係官庁  □:事務局)
 
[1] 平成13年度第1回委員会の開催に当たり、日本海難防止協会津田常務理事が挨拶を行った。
 
[2] 平成13年度第1回委員会の開催に当たり、海上保安庁警備救難部高尾救難課長が挨拶を行った。
 
[3] 事務局が各委員及び関係官庁出席者の紹介を行った。また、事務局が資料GM(00)1-1の委員会名簿及び作業部会名簿について説明した。
 
[4] 東京商船大学名誉教授の庄司委員が、本年度の委員長に選出され、以後委員長により議事が進められた。
 
[5] 平成12年度調査研究事業計画について、事務局が資料GM(01)1-2により説明し、これに対して次の質疑応答、意見等があった。
 
○ 「事業の目的」の中で、漁業無線に関する記載に「しかしながら、漁業無線は無線局からの距離の問題があり、…」とあるが、これは表現が適切ではないので修正願いたい。
□ 表現を検討する。
 
[6] 議題1「今後の調査研究の方針について」
 「今後の調査研究の方針について」について、事務局が資料GM(01)1-3により説明し、これに対して次の質疑応答、意見等があった。
i 「非GMDSS船用小型イパーブ等の調査研究」
○ 「イパーブの小型軽量化及び低価格化」については、昨年度の事業において、外形寸法で現状の7割程度、容積で半分程度までの小型化の可能性があり、また価格面では、生産規模にもよるが、現在の価格の半分程度にする可能性があるとの結論を出したところである。今年度の事業において、「それを具体化する」とあるが、費用との関係で何処までやるかが問題である。一方で、昨年度の調査研究の結果、イパーブに代わる機器としてPLBというものを提案している訳であり、今年度の事業として、既存イパーブの小型化とPLBの導入検討のどちらに重点を置いて実施していくべきであると考えているか。
□ イパーブの小型軽量化及び低価格化について、確かに昨年度の調査研究で、どの位の大きさまで小型化できるとの結果は出てきている。今年度においては、実際にそれを形にして見て、小型船にどのように搭載するか等を検討する必要があると考える。勿論予算も限られているので、その限られた予算の中で何処までのことができるのか、作業部会で具体的な方策を検討して頂ければと考えている。
  一方、船舶用のイパーブについては、昨年度の事業で、小型軽量化、また低価格化を図ってもこの程度までという一応の結果が出たことから、より小型軽量、より低価格なイパーブに代わる機器として、PLBが考えられると提案した次第である。
◎ イパーブの小型軽量化、低価格化については、ある程度の可能性が示された訳であるが、これを実際に小型船に搭載することを考えると、自動離脱方式で、自動発信のブイ方式が望ましいと考える。「具体化」とは、実際に船舶に搭載するための検討を行うとの意味ではないか。
□ 小型にしたイパーブを製品化までするということは、現状の予算では困難であることは認識している。しかし、検討したイパーブを何らかの形にして見て、こういった形状のものをどのようにして小型船に搭載するのが良いか等の検討を行って頂ければと考えている。
○ 将来的な搭載の義務化を考えての開発なのか、またあくまで自主的な搭載を念頭に置いての開発なのか。
□ 義務化といったところまでは考えていない。従来のイパーブより小型軽量で、低価格のイパーブをユーザーに提案し、その自主的な搭載を促進できればと考えている。
◎ 本委員会としては、搭載の義務化まで言及するものではなく、小型船の搭載に適した機器を開発し、万一の事故の際に備えて、その自主的な搭載を促すことを目的にすべきであろう。
○ 義務化することに伴い、生産台数が増加、逆に生産コストの低減する訳で、その場合の1台当りの価格を算出するという必要はないか。
△ 義務化するしないということではなく、小型船の搭載に適した小型軽量また低価格の新たな機器を開発して、その小型船への普及を図るということが本調査研究の趣旨と考える。
○ イパーブの低価格化については、生産ベースで計算して、従来の半額程度という一応の推定を出している。半額としても10万円を切ることは難しく、アンケートにより調査した結果出てきたユーザーが購入したいと思う価格である5万円程度とは、かなりの開きがあるのが現実である。そこで、イパーブに代わる機器としてPLBを考えた訳であるが、あくまでイパーブを試作してみるのか、PLBの導入普及策を検討する方に重きを置くのか、方向を示して欲しい。
○ プレジャーボートの立場からいえば、どの種のものにしても、新たな良い製品が出てくれば、それは価格を勘案したうえで購入、搭載を検討する訳で、それを義務化の方向へ持っていくのは好ましくないと考える。
◎ 義務化することにより、生産コストは低減されるが、一方で、義務化されるとメーカーは低価格化のための競争をしなくなる傾向が見受けられるのも事実である。
○ イパーブの小型化等について、「現行の性能要件を充たすことを前提として、」とあるが、例えば電気的な性能要件については、IMO等の基準があってこれを充たす必要があるが、その他の性能要件では変更可能なものもあるので、この表現は修正すべきではないか。またその他の性能要件を変更することにより低価格が図られると考える。
○ 「現行の」という表現は、適当ではないかもしれないが、意味としては、コスパス・サーサットの性能要件を充たすということであり、最低この性能要件を充たす必要はある。例えば、周波数安定度を緩和することにより低価格化が図られるが、それは捜索区域の拡大を招く結果を伴う。こういったことを真剣に検討するのであれば、関係官庁の意見を頂く必要がある。
△ 海上保安庁の立場としては、小型船が全てイパーブを搭載すれば、捜索が容易になるのは勿論であるが、これを義務化するというのは別の議論が必要と考える。
ii 「既存のその他通信システムの調査研究」及び「非GMDSS船の緊急時における連絡手段確保のためのグランドデザイン構築」
○ 「漁業無線、マリンVHF等既存の通信システムの活用」については、昨年度から検討作業を実施しているが、未完成なので今年度引き続き作業班の方で検討することとしたい。
◎ そのように願う。
○ 海上保安庁の発表した資料によるイパーブを搭載していた海難船舶の救助に要した時間等とイパーブを搭載していない海難船舶のそれを比較したものを見ると、海難発生から海上保安庁の認知までの時間、認知から現場到着までの時間、また現場到着から発見までの時間、それぞれイパーブを使用したものに比べて使用していないものは、はるかに多くに時間を要していることが分かる。何よりも海難の発生を救助機関が認知できないということが問題であるが、これをもってイパーブの搭載義務化に結びつけるのは無理があると思う。連絡手段の確保については、法的な、或いは技術的なその他種々の問題点がある。法的な問題は別にして、技術的な問題として、ユーザーに受け入れられる新たな機器の開発は、勿論有効であるが、既存の通信システムの活用によるネットワークの構築、即ちグランドデザインの構築が最も重要と考える。その際に、GMDSS船と非GMDSS船の接点を考えたうえで、陸上も含めたネットワークとする必要がある。
◎ 漁業無線、マリンVHF等は、海上での船舶用の通信システムである。一方、携帯電話は当初から海上での使用を目的とした通信システムではないが、今日では非常に普及しており、各自が何処へ行くにもこれを持ち歩き、海上においても使用しているという実態がある。これを船舶の非常時の連絡手段として上手く活用できる方策を検討する必要がある。
○ グランドデザイン構築のためには、イパーブの代替手段としての各通信システムに係る利点欠点等を整理し、それらを見比べながら判断していく必要がある。
○ 既存の通信システムについて、ご指摘のあった事項を含めて整理検討することにしているので、グランドデザイン構築のための基礎資料として欲しい。
○ 最近では、漁船、プレジャーボート共に船体、エンジンの性能が一昔前に比べて格段に向上している。その結果、今日ではこれらの行動海域が大きく広がっているという実態があるので、グランドデザイン構築に当たっては、そういった実態も考慮した方が良い。
○ 日本海洋レジャー安全振興協会では、関東地区で関東BANという事業を展開しており、会員制でプレジャーボートの救助活動を行っている。会員から救助ステーションに、海難の発生とともに自船の位置を携帯電話で通報してくるが、位置情報が非常に不正確である場合が多く、捜索に手間取るケースが多々あった。そこで、小型のGPSと携帯電話をセットにして、携帯電話のボタンを押せば、自動的にGPSの位置情報が救助ステーションに通報されるシステムを開発し、運用を開始したところ、結果は良好で、以来捜索時間が大幅に短縮された。現在このシステムの普及を図っている。
○ 今話のあったワムネットサービスは、陸上の山岳救助用にも使用され、やはり捜索時間の短縮に役立っている。しかし、一番の問題は、携帯電話を使用している関係上、携帯電話のサービスエリア内での使用に限られる点である。
◎ 色々な意見、問題点の提起等があったが、本委員会においては、安全確保に役立ち、かつ皆が使いやすい通信システムを検討していくということで今年度もご協力頂きたい。
 
[7] 議題2「その他」
 ブライトリング・ジャパン(株)が救難信号送信機付き腕時計「EMERGENCY」の、(財)移動無線センターが業務用移動通信システム「mcAccess」の、そして日本無線(株)が防水型携帯電話「ドコモ・デジタル・ムーバR691i」の紹介をそれぞれ行った。
 
[8] その他特段の意見なく、第1回作業部会を平成13年8月28日(火)1400から開催することとして、委員会を終了した。








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