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c) 鉄道サービスの高度化
 
○達成状況
 鉄道サービスの高度化に資する路線は、整備延長193.6kmのうち営業・工事中率が50.9%である。このうち2005年までに整備することが適当、もしくは整備に着手することが適当である路線(A,Bランク)の整備延長は146.1kmで、営業・工事中率は67.5%である。
 鉄道サービスの高度化によるものとしては、以下のものがある。
・ 相互直通運転は片福連絡線(平成9年開業)を機に、JR東海道線・福知山線〜片町線の相互直通運転が実施され、尼崎駅における乗換利便性向上によりサービス向上が寄与している。
・ 大阪モノレール(平成9年開業)により、環状方向へのネットワークが大きく改善された。
・ 列車の高度化については、JR東海道線において130km/h運転が実現され、また、阪急電鉄等の駅位置見直しなどにより、既存ストックを活用したサービス向上が図られた。
 
 今後は、運政審鉄道部会答申(第19号)を踏まえ、一層のシームレス化(乗り継ぎ利便性の向上、バリアフリー化)を推進する必要がある。
 
○鉄道整備計画とその進捗状況
[1] 相互直通運転・乗り入れの実現
→片福連絡線、なにわ筋線、阪神西大阪線の延伸線、片奈連絡線
 
 東西方向の広域的な流動へ対応する「片福連絡線」、南北方向の広域流動に対応する「なにわ筋線」、阪神・阪奈間の広域的な流動へ対応する「阪神西大阪線の延伸線」、京都府南部地域と大阪都心部との広域的な流動へ対応する「片奈連絡線」が答申されている。
 このうち「片福連絡線(JR東西線)」は供用され、「阪神西大阪線の延伸線」も事業認可を得ている。片福連絡線の供用により北摂・三田〜阪神地域〜大阪〜関西文化学術研究都市を結ぶ新たなネットワークが形成された。他の3線についても広域的な流動へ対応する重要な路線である。
 直通運転は、京都市地下鉄、能勢電鉄等で実施されてきたが、運転区間の改善により利便性は向上した。また、鉄道間の共通乗車券(スルッとKANSAI)の普及にみられるようにバスを含めたソフト面での連携が進展している。
 
表2-3-16 乗り入れ状況一覧
  地下鉄等路線名 乗り入れ事業者名 乗り入れ区間 乗り入れ開始年月日
[1] 6号線(堺筋線) 大阪市交通局 阪急電鉄 天神橋筋六丁目〜北千里・高槻市 S44.12.26
阪急電鉄 大阪市交通局 天神橋筋六丁目〜天下茶屋※ H5.3.4
[2] 4号線(中央線) 大阪市交通局 近畿日本鉄道 長田〜生駒 S61.10.1
大阪市交通局 OTS 大阪港〜コスモスクエア H9.12.18
近畿日本鉄道 大阪市交通局 長田〜大阪港 S61.10.1
近畿日本鉄道 OTS 大阪港〜コスモスクエア H9.12.18
OTS 大阪市交通局 大阪港〜長田 H9.12.18
OTS 近畿日本鉄道 長田〜生駒 H9.12.18
[3] 烏丸線 京都市交通局 近畿日本鉄道 竹田〜奈良 Hl2.3.15
近畿日本鉄道 京都市交通局 竹田〜国際会館 H9.6.3
[4] 西神線・山手線 神戸市交通局 北神急行電鉄 新神戸〜谷上 S63.4.2
北神急行電鉄 神戸市交通局 新神戸〜西神中央 S63.4.2
[5] 神戸高速(東西線) 阪急電鉄 神戸高速鉄道 三宮〜新開地 S43.4.7
阪神電鉄 山陽電鉄 西代〜山陽姫路 H10.2.15
阪神電鉄 神戸高速鉄道 元町〜西代 S43.4.7
山陽電鉄 神戸高速鉄道 西代〜三宮・元町 S43.4.7
山陽電鉄 阪神電鉄 元町〜阪神梅田 H10.2.15
[6] 大阪府都市開発(泉北高速鉄道線) 南海電鉄 大阪府都市開発 中百舌鳥〜和泉中央 H7.4.1
大阪府都市開発 南海電鉄 中百舌鳥〜難波 S46.4.1
[7] 1号線(御堂筋線) 大阪市交通局 北大阪急行 江坂〜千里中央 S45.2.24
北大阪急行 大阪市交通局 江坂〜中百舌鳥 S62.4.18
[8] 東西線 京阪電鉄 京都市交通局 御陵〜市役所前※ H9.10.12
[9] 能勢電鉄 阪急電鉄 能勢電鉄 川西能勢口〜日生中央※ H9.11.17
※乗入れによる直通運転区間: 阪急河原町〜天下茶屋  浜大津〜市役所前  梅田〜日生中央
 
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図2-3-16 他社線乗り入れによる直通区間
 
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図2-3-17 スルッとKANSAlネットワーク
 
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図2-3-18 Jスルーカード対象エリア
資料: 各種関係機関








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