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IV 年俸制
*年俸制導入企業割合は3割で留まる
*対象者は下位職位に拡大
*年俸の全額を前年の業績で決定する企業は26.1%
1. 年俸制の導入状況〔第15図参照〕
 年俸制の導入状況については平成7年から隔年で調査しており、平成11年までは導入企業の割合は倍倍で増えてきていたが、本年の調査結果をみると、年俸制を「導入している」と回答したのは回答企業全体の28.9%で、「導入しているが、廃止の方向・予定」の1.1%と合わせても30.0%と、平成11年度の30.2%とほぼ同率であった。「1年以内に導入する」は3.4%(平成11年調査6.1%)、「導入する考えがある」も21.1%(同26.3%)などいずれも平成11年調査結果に比べ減少しており、企業における年俸制の導入に向けての動きは一段落といった感がある。
第15図 年俸制の導入状況
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2. 年俸制の対象者〔第16・17図参照〕
(1) 事務系
 年俸制の対象者は、「管理職」とする企業の割合が91%と最も高く、その他はいずれも10%未満となっている。最も回答の割合の高かった「管理職」について役職段階別にみると、「課長級以上」が37%と最も回答企業の割合が高く、以下「課長代理級以上」が28%、「部次長級以上」11%、「部長級以上」7%の順となっていた。これを平成9年から時系列的に追ってみると、「部長級以上」は27%、16%、7%と隔年でみておおむね半減しており、「課長級以上」は43%、38%、37%とほぼ横ばいの状況であるが、「課長代理級以上」は6%、11%、28%と隔年ごとに倍増している。この数値をみる限りにおいて、その適用となる役職段階は下位の方に推移しており、年俸制の導入状況は一段落した感があるものの年俸制を適用される従業員の範囲は広がってきているものと思われる。
 
(2) 技術系
 技術系(研究系を含む。)についても事務系の従業員と同様の傾向がみられ、「課長級以上」が40%と最も高く、以下「課長代理級以上」26%、「部次長級以上」11%、「部長級以上」8%、「事業部長級以上」5%の順となっていた。
第16図 年俸制の対象者(複数回答)
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第17図 年俸制の対象者のうち管理職の役職段階別適用状況
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3. 年俸額の構成〔第18図参照〕
 年俸制導入企業に対して年俸額の構成について尋ねたところ、「固定給部分と前年の業績等の査定部分により構成」と回答した企業の割合は69.3%と7割近い割合となっており、「全額前年の業績等の査定により構成」は26.1%となっていた。
第18図年俸額の構成
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4. 年俸制を廃止した(廃止しようとする)理由
 回答企業数(回答企業:「廃止した」1社、「廃止の方向」3社)が少ないが、複数回答でみると「制度導入時に想定していた年俸制のメリットが活かされていない」が3社(75.0%)、「評価基準自体に問題があった」及び「評価結果に対する従業員の納得性が乏しい」がそれぞれ2社(50.0%)、「評価に時間がかかるなど評価者の負担が大きい」が1社(25.0%)となっていた。








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