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III IT革命下における人事施策
*ほぼ全ての企業でITシステムを導入
*パソコンを1人1台以上装備している企業が約8割
*ITに追いつけない中高年社員は8割の企業に存在するも、支援策を講じていない企業が7割弱
1. ITシステムの導入状況〔第7図参照〕
 「ITシステムは導入していない」企業は、回答のあった企業全体の僅か0.7%であり、「LAN」(92.7%)、「電子メール」(94.2%)、「インターネット」(95.3%)と、いずれも9割を超える企業で導入されていた。
第7図 ITシステムの導入状況(複数回答)
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2. ホワイトカラー正社員に対するパソコン装備状況〔第8図参照〕
 企業におけるITシステムの導入状況は前述のとおりであるが、ホワイトカラーの正社員に対するパソコンの装備状況をみると「1人に1台」が回答のあった企業の67.4%と最も高く、「1人に1台超」を加えると76.9%と8割近くの企業では、最低でも1人に1台はパソコンが装備されていた。
第8図 ホワイトカラー正社員に対するパソコン装備状況
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3. IT化の進展に伴いホワイトカラー正社員に求められる能力〔第9図参照〕
 業務のIT化が進展していく中で、企業が社員に必要と思われる能力を複数回答でみると、「コンピュータの基礎的な操作能力」が回答のあった企業の94.1%と最も高く、以下「収集した情報の分析力」93.4%、「インターネットを利用した情報収集力」85.6%と続いている。なお、回答企業の割合が低かったものは「ネットワーク構築等の高度な技術力」21.8%、「業務のIT化を構築できる技術力」53.1%などであり、これらの高度な技術を社員に求めることは企業も考えてはおらず、専門業者に外部委託する事で対応するということであろう。
 さらに、今後必要と考えている能力のうち、重要と思われるものを3つ挙げてもらったところ、「収集した情報の分析力」が回答のあった企業の70.1%と最も高く、以下「創造力」43.6%、「論理展開力」33.7%と続き、必要と思われる能力で最も高い割合を占めていた「コンピュータの基礎的な操作能力」は33.0%であった。
第9図 IT化の進展に伴いホワイトカラー正社員に求められる能力(複数回答)
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4. ホワイトカラー正社員に現在不足している能力〔第10図参照〕
 企業がホワイトカラー正社員に求めている能力は前記のとおりであるが、今在職している正社員にはどのような能力が不足しているのかを若年者層(入社後5年程度の者)、中堅者層(35歳前後の者)及び中高年者層(45歳以上の者)に分けてみたところ、全体的な傾向としては「コンピュータの基礎的な操作能力」、「市販のソフトウェアを駆使できる能力」及び「インターネットを利用した情報収集力」等のコンピュータ操作に関しては、若年者層(2.7%、5.0%、7.0%)及び中堅者層(6.2%、15.8%、11.2%)ではさほど不足感はないが、中高年者層(52.3%、65.9%、58.7%)では回答企業の過半数の企業で不足感を抱いていた。一方、「情報の分析力」や「論理展開力」については、中高年者層(24.2%、15.2%)では不足と感じている企業の割合は低く、経験の浅い若年者層(58.1%、56.2%)では回答企業の過半数が不足しているとしている。なお、「英語等日本語以外の語学力」に関してはいずれの年代も5割を超える企業で不足を感じているものの、若年者層が51.2%、中堅者層が64.2%、中高年者層が70.1%と若い年代ほどその比率は低くなっている。
第10図ホワイトカラー正社員に現在不足している能力(複数回答)
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