[41] 沖合浮体式波力装置「マイティーホエール」の発電出力
鷲尾幸久, 大澤弘敬, 緒方輝久(海洋センター)
中川寛之(三井昭島), 岡山修三(富士電機)
永田良典(IHI)
本論では沖合浮体式波力装置「マイテイーホエール」の実海域実験で得られた空気室内, タービン・発電機の各特性及び発電出力に関する検討を行うと共に, 1次変換過程と2次変換過程の全体的なマッチングを考えた発電出力の推定値と実海域実験の結果を比較し, その妥当性の検討も併せて行った。その結果, 回転数による等価ノズル比が変化することを考慮することで, 入射波高, タービン回転数ごとにタービン出力がほぼ予測でき, その予測出力に対して発電機側出力特性を設定することで効率的な発電出力が得られることがわかった。
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Comparison of Characteristic of Output, Estimate Generated Output and Open Sea Test Output
[42] 沖合浮体式波力装置「マイティーホエール」設置海域の自然環境条件の検討
鷲尾幸久, 大澤弘敬(海洋センター)
永田良典, 山下誠也(IHI), 緒方輝久(海洋センター)
海洋構造物の設計を行う際, 自然環境条件の設定は非常に重要である。これら風や波浪といった自然環境条件の設定方法については様々な文献等で紹介されているが, 実海域に設置された海洋構造物について, 設定した設計条件が妥当であったか検証されている例は少ない。本論文では沖合浮体式波力装置「マイティーホエール」の実海域実験で計測されたデータから, 自然環境のデータが少ない設置海域における自然環境条件の設定方法の妥当性について検証を行い, 自然環境条件の設定に際して得られた知見について報告する。
自然環境条件の設定値と実海域実験による検証値の比較
  |
設定値 (設計条件) |
実海域データによる検証値 |
U10 |
36.4m/s |
31.7m/s |
H1/3 |
8.0m |
7.2m (計測波高による) |
7.3m (計測風速からの波浪推算) |
[43] バーチャルヒューマンモデルによる作業性, 安全性の研究―第四 報応答曲面法を使用した交通装置の最適化について―
奥本泰久, 村瀬晃平, 樽岡正樹(近畿大)
井上重穂(神田造船所)
本稿は, 労働安全衛生の立場から, 工事用交通装置について解析した。すなわち, 梯子の昇降や工事用開孔のくぐり抜けおよび足場上の移動に対し人体の各関節に作用するトルクや腰痛の要因となる椎間板圧縮力を解析し, 応答曲面法を使って最適な条件を求めた。下図は, 工事用開孔をくぐり抜ける時の開孔の高さおよび敷居高さと椎間板圧縮力の関係を表した応答曲面であり, 700mmの高さの開孔を500mmの敷居高さで使用することが望ましいことがわかる。
工事用開孔通過時の椎間板圧縮力
[44] バーチャルヒューマンモデルによる作業性, 安全性の研究―第五報 溶接作業時の疲労回復について―
奥本泰久, 村瀬晃平, 中馬越幸次(近畿大)
本報は溶接作業に焦点を当て, 現場での作業をビデオ観測した上で, 消費エネルギーの解析を行い, ついで, その疲れを回復させるために必要な休憩時間を計算し, 最適作業サイクルについて検討した。下図は各作業における最も効率の良い「作業・休憩サイクル」をまとめたものであり, 消費エネルギーが少ない作業では長いサイクルで作業をして休憩を取る方が効率的で, 消費エネルギーが多い作業ではこま切れに休憩する方が効率的であることがわかる。
Optimum work cycle