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[37] メガフロート・フェーズII浮体の海洋生態系に与える影響に関する研究
北澤大輔, 藤野正隆, 多部田茂(東大)
 
 海上に超大型浮体式構造物を設置する場合, 特に浮体に付着する生物による海洋生態系への影響が懸念される。メガフロート・フェーズII浮体周囲の計測結果によると, 浮体直下において栄養塩濃度の上昇などの水質変化がみられた。本研究では, 付着生態系モデルに改良を施した沿岸生態系モデルを用いて, 浮体直下における水質変化をリアルタイムシミュレーションによって再現した。さらに, このような水質の変化が浮体周辺の海洋生態系に与える影響について検討した。

2000年9月12日13:00の浮体直下(Station C)と浮体外側(Station E)におけるクロロフィルa量とアンモニア態窒素の鉛直分布
[38] 風・波共存場での半潜水式超大型浮体の応答評価に関する研究
正信聡太郎(海技研)
鈴木英之, 岡 徳昭(東大)
 
 近年の海洋空間利用に対するニーズから外洋にも適用できる耐波性能に優れた半潜水式超大型浮体が注目されている。これまでの研究で, 半潜水式超大型浮体に作用する鉛直方向の力である風揚力が無視できないことがわかっている。本研究では風・波共存場での半潜水式超大型浮体の応答評価を行った。その結果, コラム支持タイプが風揚力の影響を受けにくい浮体形式であることがわかった。

デッキ風上における上下変位の周波数特性
[39] 地震波の地盤・水中伝播特性を考慮した海震に伴う浮体式構造物の応答推定法に関する研究(第1報)
別所正利(防衛大学校名誉教授)
前田久明, 増田光一(日大)高村浩彰(西松建設)
 
 本報告では, 「海震」の基本的性質を把握するために, 海震による浮体式構造物の応答推定に際し, 半無限均質弾性体を仮定した海底地盤の影響を考慮した解析を実施した。その結果, 浮体式構造物の応答特性は地盤表面の振動特性に大きく依存し, 浮体剛性並びに地盤剛性によって浮体式構造物の弾性変形特性が変化することがわかった。

浮体式構造物の応答特性(実数部, B=1,000m, h=20m, EI=5×1013Nm2, Vp=6,650m/s, Vs=3,450m/s)
[40] 空気室付弾性浮体の不規則波中応答特性に関する実験的研究
前田久明, 居駒知樹, 増田光一(日大)
林 昌奎(東大生研), 藤田尚毅(三菱総研)
 
 ポンツーン型超大型浮体は波浪中で弾性変形を伴いながら波漂流力を受ける。運動と波漂流力には一般的に前者が低減すれば後者が増大するという関係にある。本論では, ポンツーン型超大型浮体に波エネルギー吸収装置を取り付けることで両者を効率的に低減可能かどうかについて不規則波中応答実験結果を基に考察を加えた。空気室配置による低減効果の違いについても検討した。また, 波漂流力低減については理論計算結果も示すことによって, その可能性を明示した。

不規則波中弾性応答実験からの波上側端部の鉛直変位周波数応答関数:エネルギー吸収式空気室による応答低減効果の比較(Type Aは空気室無)








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