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[21] 漁船「第五龍寳丸」転覆事故要因に関する検討
田口晴邦, 石田茂資, 渡辺 巌, 沢田博史, 辻本 勝(海技研)
山越康行, 馬 寧(水産総合研究センター水工研)
 
 本報では, 昨年9月に発生した沖合底びき網漁船「第五龍寳丸」転覆事故について検討した結果, 本事故は,
[1]多量の漁獲物の入ったコッドの引揚げ
[2]急激な操船による内方傾斜・外方傾斜
[3]袖網等コッド以外の搭載物の移動
[4]漁獲物の入ったコッドの移動
の4つの要因が複合して発生したと推定できることを報告する。
 更に, 転覆に及ぼす各要因の影響を分析し, 考察を加えた結果も報告する。

計算例(初期傾斜角2度, 船速7.68kt, コッド移動角25度)
[22] 長期波浪データベース間の相互関係(その2)
―歪みを修復した長期統計の特性―
崔 龍虎, 平山次清(横国大)
 
 現在利用可能な長期波浪データベースは幾つかあるが互いに特性が異なるという問題がある。前報では目視による長期波浪統計に一定の歪み傾向があると思われる事を明らかにし, それを修復する幾つかの手法を示した。本報では前報に若干の補足を加え, 更に修復された波浪統計を使用した長期特性がどのようになるかについて検討を加えた結果について報告する。

波高ベース変換法を用いた変換結果の例
[23] 船体運動からの波浪情報の推定について(第4報)―実船計測値から推定した方向波スペクトル―
前田克弥(海技研), 斎藤公男, 明石泰輝(広大)
 
 著者らはこれまでに, 非線形計画法を用いて計測した船体運動から波浪情報を推定する方法を提案し, 1次元波スペクトル及び方向波スペクトルの推定結果を模型試験結果と比較し検討を行ってきた。本報では, 実船試験により得られた計測値を用いて方向波スペクトルを推定するとともに, 得られた波浪情報を目視観測値及び波浪推算値と比較し推定法の有用性について検討を行っている。

実船計測値から推定した方向波スペクトル
[24] 海底に置かれたトランスポンダーの精密位置決め(第3報)―3次元計算―(英文)
一色 浩(数理解析研究所)
 
 本論文では3次元計算による, より現実的なシミュレーション計算が行われている。前報と同様に海底トラポンの位置ばかりでなく, 海中音速分布も未知数となっている。安定な収束計算を可能とするために, 層数逐次増加法という新しい数値計算法が考案されている。数値計算結果は合理的なものと思われる。

Calculation results

Number of layers Result Average Velocity
(m/s)
C… (m/s) XB…(m)
1 C[0]=1473.29 1473
xB=-0.000631, yB=0.005743
2 C[0]=1466.76, C[1]=1475.80 1473
xB=-0.000016, yB=0.000041
3 C[0]=1481.71, C[1]=1470.50, C[2]=1471.20 1473
xB=-0.000009, yB=0.000023
4 C[0]=1471.80, C[1]=1474.53, C[2]=1476.70, C[3]=1479.44 1473
xB=0.000009, yB=0.000023








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