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5.3 造船技能者登録・紹介システムの留意点
 さて、このような人材紹介システムでは、人材内容を記載した人材データベースと、仕事を紹介する仕事紹介データベースが基本コンテンツになる。これに検索エンジンと、活用する側と活用される側のコミュニケーションの場(掲示板)があれば有用である。
 実際の人材データベースには、氏名、住所はもとより、専門職、職歴に加え、健康状態や就労する際の希望条件などを登録してもらう。一方、人材を活用する側は、自社の特徴や依頼する仕事の内容、量、期間、発注条件などを仕事紹介データベースに登録しておく。
 このような人材登録・紹介システムの概念図を図5.7に示す。
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図5.7 人材登録・紹介システム概念図  
 このようなシステムの運用に際して重要なことは、継続的な情報更新である。情報の更新頻度が長ければ、せっかく、人材がアクセスして申し込んでも「締め切り済み」なのかどうか判断つかない。一方、人材側も、すでに就労していればその旨、更新してもらわないと、紹介システムそのものの仕組みが機能しない。したがい、情報の更新は「変更があった都度」ということになる。また、本システムは、公平性の点から、業界団体が主宰するのが適当であろう。
 さて、このような専門技術者あるいは特殊技能をもつ専門技能者(いわゆる「匠」)の紹介システムは、1章で述べられているように、わが国造船業がこれらの技術・技能者を固定雇用する余裕がなくなり流動化しつつあるので、今後有用になると思われる。
 ただし、技術・技能者を問わず、外部の人材を活用するには、仕事の内容、量、期間を明示する必要がある。特に、外部の特殊技能者に依頼して専門作業をしてもらうには仕事量を算出し、外部発注金額を算定して、できれば会計システムまで直結するシステムが望ましい。図5.8に、このような仕事量算出システムの概念図を示す。
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図5.8 造船基幹業務システム概念図
・e-steel:日本ではスマートオンライン;三井物産、三菱商事、日商岩井、豊田通商、
・MetalSite;伊藤忠、住友商事、丸紅、オリックス
・鋼材ドットコム;日鐵商事、住金物産、神鋼商事  
 単に、構内外注システムとして構築、運用するとなれば、図5.9のようなシステムとなろう。
 以上、人材紹介・登録システムの事例と留意点について述べてきたが、本会で別途、具体的な人材紹介システムを検討、構築中であるので、そちらも是非参照されたい。
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図5.9 構内外注管理システム概念図  








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