日本財団 図書館


3 各種対策の安全上の効果及び実行上の問題点の検討

3.1 安全対策案の列挙

ばら積みニッケル鉱の安全運送を達成するための基礎として、まず、考えられる安全対策を列挙した。以下では、簡単のため、当該安全対策を実施する者を、「(A)荷送人」「(B)船・乗組員」「(C)両者の協力」に大別して示す。また、安全対策を実施する時点毎に分けて示す。

挙げられた安全対策は表3.1の通り。

 

表3.1 安全対策一覧表

185-1.gif

 

3.2 各安全対策の検討

各安全対策の概要、安全上の効果及び実行上の問題点について検討した。検討結果を以下に示す。なお、非常時(荷崩れが発生した場合)の安全対策は、実行可能なことは全て実施されると考え、安全上の効果については検討していない。また、各関係者の教育については、別項を参照のこと。

(A-1-i) 貨物の乾燥

概要:船積みする貨物の水分値が充分に低くなるように、貨物を乾燥させる。具体的には、貨物のストックヤードに屋根を設置し、できるだけ頻繁に貨物を撹絆する等の作業を実施することが考えられる。貨物の水分値が充分に低いか否かは別として、可能な限り水分値を下げることが望まれる。まず第一に、「平坦に荷繰りしても移動を起こす貨物」(液性を呈する貨物)を無くすことが期待される。

なお、ニッケル鉱の荷崩れは、微粉精鉱に代表される貨物の液状化現象とは異なるため、液状化物質の運送許容水分値を水分値の目安にすることは適当でない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION