出所:DOTC、CBL
料金徴収は一般的に発車後、車掌が乗客に行き先を問い掛けて逐次計算しながら行う。
カリフォルニア・バス・ライン(CBL)は、エアコンバスの料金徴収効率化に取り組んでおり、ワンマン運行を実現している。これは、料金設定にゾーン制を導入、また、機械式の料金収受箱の導入により、運転手の負担が少なくなったことに基づく。
(2) 事業者組織、バス車両の管理
●事業者、事業者組織
約300社のバス事業者が存在する。メトロマニラ内のバス事業者はすべて民間事業者である。また、事業者のほとんどが、所有車両10台以下の小規模業者である。これには以下の2つの背景がある。
・1985年にメトロマニラのバス事業を独占していた公営バス事業体MMTCが解体されたが、この時、労働問題の縺れが大きな原因だったため、労働者主体の解体が実施された。現存する民間バス会社はこの時点で組織されたものが多く、労働環境・社風に関して非常に重視する傾向にある。
・この解体以降、バス事業は民間に事業委託(フランチャイズ)された。
・バス事業者の参入規制により、所有車両10台からフランチャイズが取得できるため。
事業者は、BOA (Bus Operator's Association)と呼ばれる事業者組織を構成している。BOAは3つあり、特に、MMBOA (Metro Manila BOA)、IMBOA (Integrated Manila BOA)、INTERBOAがそれぞれ独自に活動している。BOAは保険の加入代行、フランチャイズ料の納入代行、統計の作成、行政組織との交渉代行などの業務がある。特に、バス事業環境の悪化から、料金規制をはじめとした行政組織との交渉を重点的に行っている。一方で、会社間の重複路線統合や、料金収受の共有・効率化などを実施する調整機能はなく、計画も無い。
現状、BOAの活動内容は2点に集約される。1つはMRT3号線の料金設定(5.3.2料金、5.5料金設定参照)、もう1つはエア・クオリティ・アクトヘの対応(5.9 TOCA参照)である。