ペナルティが支払えず所有者が受取をあきらめる場合があるため、LTOは車両を処分する権限も持つ13。
13 多くはオークションされて、LTOが売却利益を得ることとなる。
5.9 都市内環境対策
(1) 都市内環境改善に関する動き
CAA (Clean Air Act)、AQA (Air Quality Act)
廃棄物の処理方法から自動車の登録、燃料の品質・販売まで広い分野を規制する。1999年に議会を通過し、2000年11月に調印完了、実施段階に入った。
これを受けて、DOTCは自動車登録税制度を低公害車両に対して優遇されるように改編する必要がある。
TOCA (the Transport Organizalion for Clean Air)
交通事業者により構成される団体であり、代表はバス事業者の業界団体MMBOAである。その他のBOAやトラック業界、ジープニー業界にも参加を打診している。
1) ディーゼル車両の排出ガス汚染の改善(対象車両はジープニー、バス、トラック、タクシー。合計で約85,000台)
2) 社内での車両整備、点検の強化
3) 燃費向上(目標値 2000年値から10%減)
4) クリーン・エア・アクトとの協調
TOCAでは、独自にスイスのコンサルタント、アジア開発銀行と契約し、排出ガス対策のための技術支援、資金提供を要請している。
(2) Vehicle Inspectionの活動
LTOは車両登録を行う機関であり、車両登録と同時に車両検査を実施する。事業用の車両はタクシーとバスが対象である。車検設備はJICAの支援で整備され、日本と同じ方式をとっている。
検査の頻度は1年に1回であるが、これは他のアジア諸国14と比較して少ない。
14 マレーシア、インドネシア、タイは半年に一回
(3) 中古車・中古エンジンの利用規制
車検時に排出ガス測定を行うが、包括的な利用規制、輸入規制などが行われているわけではない。
(4) 低公害車の導入に関連する行政組織
事業者組合であるTOCAでは、ディーゼルエンジンの改良に関する研究を独自に行っている。