遡れば、1981〜1983年にも同様の調査(JUMSUT)が実施された。
(2) アジア開発銀行、フィリピン交通戦略調査(PTSS)、
国の交通戦略に重点をおいた調査。マニラ首都圏に対しては、フィリピン国営鉄道(PNR)の鉄道利用運営、マニラ港、ニノイ・アキノ空港へのアクセスが含まれる。
(3) 世界銀行、マニラ首都圏都市交通改善プロジェクト(MMURTRIP)、
交通改善の短期的な解決を内容としており、MRT2号線、EDSA、環状5号線、南ルソン高速道路の各沿道地域を調査対象としている。
このほかに、アジア開発銀行が大気浄化プロジェクト、自動車従量税導入に関する検討を実施している。
5.3 都市内公共交通の運行状況
メトロマニラの公共交通の歴史は古く、様々な交通手段が導入されてきた。市内にはLRT、MRTなどの大量輸送機関、バス、ジープニー、メガタクシーなどの乗合交通、トライシクル、ペディキャブなどのパラトランジットが運行している。
本節では、EDSA沿線の主要交通機関である乗合バス(5.3.1)を中心にレポートし、その他の交通機関としてMRT3号線(5.3.2)、メガタクシー(5.3.3)の運行状況を概説する。
5.3.1 市内路線バスの運行状況
(1) 運行状況
●路線
メトロマニラ圏内では各道路路線に乗合交通(バスとジープニー)の営業権が設定されている。需要調査により、各路線毎に必要な供給量を推計し、事業者に営業権(フランチャイズと呼ぶ)を配布している。過度の競争を避けるため、EDSAはバス、放射道路、及び、集散・域内道路はジープニーという大まかな住み分けが行われた。このため、バス営業路線はEDSAと一部の放射道路である。
事業者はバス路線の営業権(フランチャイズ)を得るためには、幾つかの参入条件をクリアする必要がある。
●車両、サービスレベル
EDSAで営業するバスにはエアコン付き、エアコン無しの2種類がある。エアコン付き車両の内部は清掃が行き届いている。直射日光が入らないようにほとんどの車両にカーテンが取り付けられている。運転手と料金収受を行う車掌がいる。