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恐らく以上のことを分かりやすく図にしてみると、次のようになるのではないでしょうか。

 

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それでは、上の図に沿って、話を進めていきたいと思います。

1] 人間観・哲学について

上の図からも明らかなように技法を学ぶ第一歩として、三角形の一番下に位置する人間観・哲学について考えてみたいと思います。

カウンセリングとは相談者の自立を援助するということは先に述べたとおりです。その基本として、人間をどういう存在として見るかが大変重要であり、それによって、その後の援助の方向も大きく違ってきます。例えば、人間は生まれながらにして善だと思っているか、それとも悪だと思っているかということもその一つです。日本にも性善説と性悪説とがあるように、アメリカにおいても、これと似たような考え方があります。

ア X理論とY理論

アメリカの心理学者であるMIT教授、さらには経営コンサルタントであったマグレガー(McGreger, D.)は、自著「企業の人間的側面」のなかで、労働場面において二つの人間観が働いていることに注目し、X理論とY理論という考え方を発表しました。

X理論というのは、「人間怠け者論」に立つ考え方で、

・人間は本来、仕事を嫌う傾向にある

・人間は、強制され、命令されないと力を発揮しない

・人間は、責任を回避する傾向にあり、野心を持たず、安定を望む

 

 

 

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