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海上保安庁は、従来から海上における薬物の不正取引の防止におけるCND、UNDCPの活動に積極的に協力している。平成9年10月には、横浜において、UNDCPとの共催により、15ヶ国32名の参加を得て、「アジア太平洋海上薬物取締研修セミナー」を開催し、UNDCPによる「海上薬物取締研修ガイド」の紹介、海上保安庁及び米国コーストガードによるデモンストレーションの実施、各国の海上薬物取締りの現状及び域内協力に関する意見交換を行った。また、平成12年1月には、東京及び横浜において、東アジア及び東南アジアの9ケ国13名の参加を得て、「海上薬物取締官養成セミナー(MADLES2000)」を開催し、UNDCPの「海上薬物取締トレーニングガイド」に基づく実習及び講義、海上保安庁によるデモンストレーションのほか、各国の海上薬物取締りに関する情報交換及び域内協力についての検討を行った。

 

7. 政府間海洋学委員会(IOC)

政府問海洋学委員会は、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の中に設けられており、加盟国の共同活動を通じて海洋の自然現象及び資源に関する知識の増進を図るため、各種の国際的な海洋調査・研究、海洋汚染監視、海洋資料交換、教育・訓練及び相互援助等の事業を行っている。

海上保安庁は、従来から、政府間海洋学委員会のプロジェクトである西太平洋海域共同調査(WESTPAC)に参加している。

 

国際協力・国際貢献の現状

 

1. はじめに

海上保安庁では、長年にわたり様々なの国際協力業務や国際貢献を行ってきた。国際協力や国際貢献の意義を考える場合、我が国の"国益"の増進にも資するものであることがこれまで重要とされてきた。例えば、天然資源の少ない貿易立国である我が国の重要な海上輸送ルートとなっているマラッカ・シンガポール海峡は、我が国の生命線であり、この海峡の安全を確保することは、当該海峡沿岸国のみならず、我が国の国益にも資するということから、海上保安庁が実施するもののみならず、様々な国際協力が実施されてきた。

 

 

 

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