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国際機関への参画

 

1. はじめに

海上保安関係の国際機関としては、国際海事機関(IMO)、国際水路機関(IHO)、国際航路標識協会(IALA)等があり、条約の制定、決議の採択、ガイドラインの策定、各種プログラムの実施等広範囲にわたる活発な活動が行われている。

これらの機関は、海上の安全確保・秩序維持、海洋環境の保護保全、船舶の安全確保という問題は、その性格から、全世界的かつ協調的なアプローチが必要であるとの考えより設立されたものであり、海上保安庁は、これまで、これらの機関の活動に積極的に参画してきている。

以下に、これらの機関の概要、海上保安業務との関係について現状を紹介する。

 

2. 国際海事機関(IMO)

国際海事機関(IMO)は、ロンドンに事務局を置き、主として海上における船舶の安全確保及び海洋環境の保護のための政府間協議・協力を促進することを目的とする国連の専門機関である。

海上保安庁は、海上安全委員会(MSC)、海洋環境保護委員会(MEPC)の各委員会、無線通信捜索救助小委員会(COMSAR)、航行安全小委員会(NAV)等の各小委員会に専門家を出席させている。

最近においては、平成12年3月、IMO本部で開催された会議において、「2000年の危険物質及び有害物質による汚染事件による準備、対応及び協力に関する議定書」(OPRC-HNS議定書)が採択された。この議定書は、OPRC条約の危険物質及び有害物質バージョンとも言え、策定段階から海上保安庁が深くかかわり、署名のための会議には、海上保安庁次長が我が国代表団の団長を努めた。

また、平成10年8月の北朝鮮によるミサイル発射問題への対応として、各国ヘミサイル等の発射実験を行う場合に航行警報の発出を勧告している総会決議A706(17)の遵守を促すための海上安全委員会回章(MSCサーキュラー)の発出を提案し、平成10年12月に開催された第70回海上安全委員会において同回章が承認されている。

 

 

 

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