日本財団 図書館


同会議において、今後の各国の海上警備機関の海賊及び船舶に対する武装強盗事件に対する取り組みについての指針となる「アジア海賊対策チャレンジ2000」が採択され、これに基づき、以後、迅速な情報交換を行うための体制の確立を図るとともに、各国における海賊及び船舶に対する武装強盗を強化していくことで一致した。また、人材の育成や装備の充実強化等のための技術的支援、巡視船の相互訪問や合同訓練の実施、専門家会合の継続について、可能なものから実施するべく検討を行っていくこととなった。

2] 「海賊対策国際会議」のフォローアップ

12年9月、海上保安庁、外務省、運輸省等から構成される「海賊対策調査ミッション」がフィリピン、マレイシア、シンガポール及びインドネシアに派遣され、各国関係者との間で、「アジア海賊対策チャレンジ2000」に基づく連携・協力の推進及び海上保安庁が表明している各種支援策の具体化に向けた協議が実施された。また、海上保安庁では、11月、インド、マレイシア両国海上警備機関との間でそれぞれ連携訓練を実施した。更に、アセアン諸国、東アジア諸国等の関係各国等の海上警備機関間の連携・協力の更なる推進について協議するため、マレイシアで開催された海賊対策に関する緊急の連絡会議(専門家会合)に代表団を派遣した。

人材育成の分野については、平成13年度より、海上保安大学校及び海上保安学校への留学生受入を開始するとともに、国際協力事業団(JICA)の事業として、海上犯罪取締りセミナーを開催する予定である。このほか関係国の取締り等の資器材等の整備への支援についても、その実現に向け関係省庁等と協議を進めているところである。

(2) 「北西太平洋地域海上警備機関長官級会合」の開催

薬物・銃器の不正取引、密航及び海賊等の国際犯罪の予防・取締り、海上における人命及び船舶交通の安全の確保並びに海上環境・防災対策等に迅速かつ適切に対応するためには、関係国の海上警備機関間の連携・協力が不可欠である。

このような情勢の下、本会合は、我が国が位置する北西太平洋地域諸国(韓国、ロシア、米国及び日本)の海上警備機関のトップが21世紀に向けた連携・協力のあり方について大局的な意見交換を行うことを目的として、平成12年12月、第1回会合が東京にて開催された。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION