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各分野毎の地域連携・協力関係の構築・発展

 

1. はじめに

外国の関係機関との連携・協力を推進していく場合、最初のステップとなるのは、二国間の懸案事項に対応するために行われる二国間協力であり、上記のとおり、海上保安庁でも、近隣諸国のカウンターパート機関との間で、様々な事項について、長年、協力関係を築き上げてきたところである。この二国間関係を更に進展させるためには、同一又は類似の利害関係を有する地域内の国々との間で、相互の共通利益を求めて関係を構築することが必要である。

近年、海上保安庁では、特に海上警察業務の分野において、積極的なイニシアチブにより、「海賊対策国際会議」及び「北西太平洋地域海上警備機関長官級会合」を開催し、地域の連携・協力の構築・発展に積極的に貢献している。

以下に、これらの地域レベルでの連携・協力関係の構築・発展について現状を紹介する。

 

2. 海上警察業務

(1) 海賊問題への対応

1] 「海賊対策国際会議」の開催

近年の東南アジア海域における海賊及び船舶に対する武装強盗事件の急激な増加及び凶悪な事件の発生に対し、小渕前総理大臣は、平成11年11月にマニラにおいて開催されたASEAN+1首脳会議において「我が国としてもこの問題に対する関係国間の連携強化についてできる限りの協力を行うため、近く沿岸警備機関等関係者による会議を開催したい」旨を提唱し、各国の首脳からこれに対して支持を受けた。これに基づき、12年4月27日から29日の3日間、東京において、東南アジア付近海域における海賊事案の防止及び海賊事案発生時の被害者救出のための関係国間の協力関係の樹立に資するため、「海賊対策国際会議」が開催された。

 

 

 

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