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(3) 発生源の推定

・主成分分析によって発生源の推定を行った結果、水平分布及び鉛直分布において濃度が高くなっていた湾奥部の試料については、農薬(PCP)や農薬(CNP)の影響を強く受けているものと推測された。

・主成分分析によって発生源の推定を行った結果、湾奥部と比較して濃度が低くなっていた湾口部では、湾奥部と比較すると農薬(PCP)及び農薬(CNP)の影響は小さく、大気及び降下ばいじんの影響が強くなっていることが推測された。

 

(4) ダイオキシン類の粒径別の挙動

・ダイオキシン(PCDDs+PCDFs)では、全体の構成比のうち92%が75μm以下の粒子に含まれていた。吸着比は、75μm以上の粒子1に対して、3:4の比率で5μm以下の土粒子に多く吸着されているものと考えられた。

・コプラナーPCB(Co-PCB)では、全体の構成比のうち85%が75μm以下の粒子に含まれていた。吸着比は、75μm以上の粒子1に対して、2:1.5の比率で75μmから5μmの粒子に多く吸着されているものと考えられた。

・ダイオキシン類の粒径別の挙動は、75μm以下の粒子に多く吸着されていることが判明した。

 

表-5.4 ダイオキシン類の粒径別の挙動

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注1. 調査地点は、St.11(多摩川河口表層泥)

注2. 分析は、1]全量、2]75μm以上、3]75μm以下、4]5μm以下、を分析し、底泥の濃度を比較し、試料中の現存量を重量比で標準化した値(吸着比)を用いて検討した。

 

・底泥のダイオキシン類を除去する手法等の検討に当たっては、粒径の小さな浮遊物に付着したダイオキシン類の除去の技術検討が示唆され、ひとつの方策として価値があると考えられた。

 

 

 

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