日本財団 図書館


2] スロープおよび車いすの固定

スロープは手動の引き出し方式とした(図5)。生産国のスウェーデンでは、長く使用している間にスロープが引き出せなくなるトラブル(凍結等が一因と考えられる)が発生しているので、現在は板を外側へ展開する方式に変わっている。大阪市では、料金箱を通常の路線バス同様に大型のもの(カードリーダーが必要なので)にしているため、内側に渡板を収納できない。そのため現状ではスロープ引き出し式しか選択できない。

 

図5 スロープを引き出したところ

187-1.gif

 

車いすの固定は車内右側の4席を跳ね上げる方式である。跳ね上げたシートの裏側には、車いすの乗客が押しやすいように降車お知らせボタンがつけられている。また跳ね上げシートの反対側(左側)のシート3席も跳ね上げることができる(図6)。これは、車いすの乗客が車内で転回できるようにするためのスペースを確保するもので、130cmの幅が確保できる。固定は2本のレールを用いたベルト式である。

 

図6 右側4席を跳ね上げた様子(左)、左側3席を跳ね上げ転回スペースを確保した様子(中)、乗車の様子(右)

187-2.gif

 

3] 扉

小型ノンステップの扉は前後2ヶ所にあるが、運行に際して後ろ扉は使用していない。前乗り、前降りである。これは、既存路線のバスが前扉−後扉車または前扉−中扉車(ノンステップ車)になっており、停留所のガードレールの切り開き部分に合わないためである。また、一般的な路線バスは後ろ乗り、前降りで、料金後払い方式のため、コミュニティバスで使用できない券種で乗車した場合、降りる際の運賃徴収で「定期券は使えないのか?」等トラブルになる可能性がある。そのため、前のり運賃先払い方式とし、通常は前扉のみが使用されている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION