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このように、フレックス・ルートではそのシステム上、終点までの乗降の予約状況により、バスの運行時間が変化するのである(図5-4-4-3)。

 

図5-4-4-3 予約と運行時間の関係のイメージ

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・テレマティクス技術の導入

そこで利用者が多い時の遅れを前提として、こうした問題を解決するために、テレマティクス技術と呼ばれるシステムが導入されている。自動通知電話を導入し、到着予定時刻の15分前に利用者宅に電話が入り、正確な到着予定時刻を告げる仕組みになっている。バスは毎回起点を定時に発車するが、予約状況によりMPの通過時刻は一定ではない。そのため、自宅で待機する利用者に、15分前に電話が入り「○○番のミーティングポイントは○○分ころ通過します」と案内される。遅延情報が事前に利用者宅に知らされることにより、利用者は外で待機しなくて済むのである。

実際の予約の流れでは、利用者が予約センター(図5-4-4-4右)に電話して利用希望日と時間帯を告げる。その時点での予約状況に基づいた通過予定時刻が伝えられる(例えば12時)。その後の予約状況により、当初12時と伝えられていた通過予定時刻が12:30になりそうな場合は、当初通過予定時刻の15分前、すなわち11:45までに遅延する旨の連絡が入る。

 

図5-4-4-4 円滑な予約を支えるシステム

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帰りの予約はショッピングセンター等から磁気カード(図5-4-4-4中)一枚で行うことができる。ショッピングセンターの一角に設けられた端末にカードを通すだけである。

ただしこのシステムは、カードを通すと、利用者に対してバスの到着予定時刻が確約されるのではなく、利用者が待つショッピングセンターに向かうバスが何時に起点から出発するかが知らされる(例:「○○時に起点○○を発車するバスへの予約が入りました」)。つまり、利用者がショッピングセンターから乗るという予約を入れるに過ぎず、利用者が待つショッピングセンターのMPにバスが何時に到着予定なのか知らせるものではない。

 

 

 

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