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今後、利便性を高めるために、到着予定時刻を知らせる何らかのシステム改革が必要になると認識されている。

カード一枚で簡単に行える帰路の予約だが、機械だけで予約することに抵抗のある高齢者も多く、たいていは横に設置されている予約センター直通の電話機を使って、職員と話して帰路の予約を入れる場合が多い(図5-4-4-5)。

 

図5-4-4-5 ショッピングセンターの帰路予約電話

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ii) 運賃

運賃の設定は通常の公共交通と同じで、定期券またはその都度10Skrを支払う。イェーテボリ市にはタクシーによるSTサービスがあるが、利用料は25Skr (通院以外の外出)である。また、STを通院目的で使用する場合には60Skrかかる。こうした既存のSTSの運賃と比較すれば、フレックス・ルートの運賃設定は利用のインセンティブとして働いていると考えられる。

 

iii) 運行時間と運行経路

運行時間は平日の9時から17時までである。

同地区には74のミーティングポイント(MP)が設置されている。予約時の利便性を考え、番号表示を付してわかりやすくしている(次頁図5-4-4-6)。あらかじめ高齢者の居住状況を地理的に把握し、さらにSTS利用者がよく行く利用先の情報と合わせて主な運行エリアを設定した。その上で高齢者の住宅から、最大でも150m歩けばMPに到達できるような配慮がなされている。このシステムでは、STSの利用資格を持たない高齢者にも利用してもらう狙いがある。多くは住宅街などに設置されている。

運行スケジュールは30分間隔で、中心のショッピングセンターを目指して、ヒュースボー地区の両端(現在は病院)から各1台のバスが発車する。途中で予約があるMPのみ経由してタウンセンターに向かう。起点は定時に発車し、途中で需要のある地点だけを経由するデマンド型の運行である。前述の通り、MPでの予約が少なければ、タウンセンターまでの走行時間は短くなり、逆に予約が多ければ経由地が増えるので、運行時間が長くなる。

 

 

 

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