イギリスでは、コミュニティ・トランスポート(図3-4-3-6)、ダイアル・ア・ライド、ボランティアによるソーシャル・カー(個人所有車によるボランタリーな送迎)など、高齢者や障害者が自宅からショッピングセンターやタウンセンターに出かける条件が整っているといえる。ただし、地方ではこれがまだ不十分だとする意見もあるし、重度の障害者は外出しにくいという課題があるという指摘もある。
なお、ロンドンでは2015年までにタクシー、バス、店舗で車いすに対応した整備が行われることになっている。
また、ショップモビリティは、自治体、店舗、ファンド、障害者団体、民間のファンド等の助成を受けて運営されていることが多い。経済変動により、資金枯渇につき運営困難になるケースもありうる点が課題といえる。
※ 1]については、2000年10月に開催(交通エコロジー・モビリティ財団は共催団体)した「スペシャル交通セミナー」でイギリスから講師を招聘した際の事前、事後調査により構成している。また、2]3]は海外調査におけるショッピングセンター等の見学など派生的な情報収集により地域の関連するスキームを整理したものである。
<参考資料>
(資料E001、E003〜E011、E014)
高橋万由美。「イギリスにおけるコミュニティ・トランスポート」。日本地域福祉学会第14回大会。第6部門。地域福祉とまちづくり。福祉文化。
松尾・小池・中村・青木。『交通と福祉−欧米諸国の経験から−』。文真堂。1996。