コストと環境負荷の低減及び利用者の利便性を高めるため、システムの連続性、統合化を意識した政策が行われる。統合化アプローチとして、先進的な計画、優れた乗り継ぎ利便性、優れた交通管理、さらに多くのパーク・アンド・ライドの基盤整備など、いかなる形態の交通をも、利用者と経営上の便益のために効率的に一体化させていくものである。
また、都市部と地方では表3-2-2-6のような主な戦略が組まれている。
6] ドア・ツー・ドアの交通サービスについて
イギリスではアンビュランス・サービス(医療系の送迎)とコミュニティ・トランスポート(CT)というドア・ツー・ドアの輸送システムが発達している(別掲)。DETRとして、こうした輸送システムをどのように扱っていくかは政策的に重要なテーマであると捉えている。
アンビュランスとCTはDETRとしても視野に入れ、情報の交流を行っている。しかしアンビュランスはあくまでNHS (National Health Service:厚生省管轄)の業務としてとらえており、交通としての位置付けが今一つ明確ではない。
いっぽうCTのボランティアとは協議の機会を設けている。CTAではミニバスの乗務員になるための資格を取得するトレーニング等を実施しており、実施のための補助として毎年£10万を支出している。
なお、10ヶ年計画では、CTについて「郊外で暮らす人たちにもより優れた交通とより多くの選択肢が必要である。」として、「ミニバスやタクシーをベースとしたような広範な利用者層に対応する、フレキシブルなコミュニティ・トランスポートプロジェクトの支援を行う」ことを明記している。
7] その他
DDAに基づいて、交通従事者教育も進めている。従事者教育の位置付けは、実際にどう対応するかということを示したもので、「教育する」ということを明示しているものではない。すでに、バスとコーチはDPTACで実施しているトレーニングを導入し始めている。National Vocation Trainingというプログラムでバスの免許に含まれるものである。