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(d) 表示器から漏れる磁力線が磁気コンパスに影響を与える場合があるので、表示部の銘板に打刻されている安全距離は、法的に離さなければならないことになっている。

(e) 表示器の取付場所は、レーダーの観測者が、そのまま顔を上げたときに船首方向を見渡せるような位置と方向を設定すること。

(f) ケーブルの入り口は、ねずみの害や湿気の入るのを防ぐため、パテ等でふさいでおくこと。

(g) 保守点検に必要な空間は、あらかじめ設けておかなければならない。

最近の表示部は前面開放型が多くなっているが、どのような形式であっても、十分開閉できるだけの余裕がなければならない。(図2・10参照)

 

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図2・10 保守空間

 

(2) 船体への取付方法(木台使用の場合を含む。)

(a) 表示部箱体の取付台は平らで、ひずみのないことが条件である。表示器には数箇所に回転機構があるのが普通であるから、ひずんだベースに無理にナットで締め付けて固定すると、表示器全体がひずんで回転部の動きが硬くなり、種々の誤差や不具合を生ずる。大形レーダーの取付台は、鉄のアングル材を用いて溶接で仕上げるが、このためひずみがどうしても出てくる。したがって、木台をスペーサとして入れるのが望ましい。木台の厚さは20〜70mmのものを選定すればよいが、余り厚くすると表示器全体が高くなり操作しにくくなるので注意すること。小型レーダーでは、側壁付けや、テーブル付けを行うが、相手側が木製の場合が多いので、余りひずみを心配することはない。ただ、重量のある機種では、取付部が堅固でないと危険である。

(b) 表示部は操舵室かチャートルーム、あるいは双方に一台ずつ設置することがある。二台装備の場合は、高い方の空中線部に接続される表示部がキールラインに近いところに置かれることが多い。向きは使用者がレーダー表示器から顔を上げたときに、船首方向が見えるようにする。小型の卓上型の表示部の場合は、熱の放散を妨げるようなものが周囲にこないよう注意が必要である。

 

 

 

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