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(4) 考察

○家電製品、加工食品、日用品メーカーにおいて、九州地域ブロック内での配送を共同化し、効率化を進める動きは既に進展している。

○大都市圏から南九州への直送化を含む、工場から小売店・卸売業者の物流拠点への直送化を進める動きは、一部の家電製品・加工食品・日用品・衣料品メーカーで始められている。しかし、翌日定時配送が可能な範囲は九州北部地域までのため、南九州への配送は、今後も、福岡周辺を中心に設置されている九州全域をカバーする物流拠点を経由する方向にある。

○一方、特売品やコンスタントに量の捌ける定番品等については、量販店等、一定規模のロットでの発注が可能な小売店において、メーカーからの直接仕入れが進んでいる。その際、大都市圏から南九州に対して鉄道利用で直送されているケースも見られる。

・日用品では、発注ロットに応じた商品原価設定により小売業との直接取引を進める動きが、一部メーカーに見られる。

・加工食品やDIY商品等でも、小売店がメーカーから直接仕入れる動きがある。

・家電製品についても、メーカーから直接配送できる可能性がある。

・なお、一部の例を除いて伝票上は卸売業者を経由しているケースが多い。

・その場合でも、リードタイム短縮により商品鮮度が向上する等、小売店側にもメリットが大きい。

○また、複数の店舗を展開する小売店では、卸売業者やメーカーから各店舗への配送を廃止し、自社のDC型物流センターに一括搬入を受け、そこで卸売業者やメーカーの在庫として商品を保管させる動きがみられる。物流センターで店舗別に仕分けを行い各種商品を一括納品することで各店舗の荷受けの負担を軽減するとともに、在庫管理(過剰在庫や機会ロスの削減)を中心とした物流管理を小売店側で掌握するものである。

・センター設置は、どちらかと言えば域内配送の効率化に寄与するものだが、センターからの一括発注でロットが拡大すれば、九州北部の物流拠点を経由せず大都市圏からセンターへ直送が行われる可能性もある。

・こうしたDC型物流センターと配送網を、複数の小売店が共同で整備したり、他社に開放することによって、共に物流コストを削減しようとする動きがみられる。

・一方、小売店によるこうしたメーカーからの直接仕入れの動きを受け、従来在庫を削減してきた卸売業者においても、共同でDC型物流センターを整備する動きがみられる。

・また、こうしたDC型物流センターの運営を、3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)業者にアウトソーシングする方向もみられる。

 

 

 

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