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すべての組織がこのような過程をたどるとは限らないが、「考える会」の方向性を展望する際には、構成員の問題意識や機運の高まり、組織の目指すべき方向等の実情を踏まえ、一つの到達点(実践活動の出発点)として法人化のメリット・デメリット等を検討し、展開していくことが望まれる。

 

図表6-3 組織化の一般的な過程

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資料:(株)ぎょうせい「NPO実践講座」(平成12年11月)

 

NPO法人を含め、法人化のメリットは社会的な信頼性の獲得や、事業の継続性の確保、目的の明確化などが挙げられるが、最大の特徴としては個人としてではなく、法人として権利能力を有することである。任意団体の場合、活動場所の賃借や電話、コピー、FAX等の事務機器や電気、ガス、水道等の契約、通帳名義はもとより、有給スタッフの雇用、保険や業務委託契約なども全て個人名義で行うことになり、契約者が異動した場合、これらすべての契約書類の更新が必要になる。また、団体として財産を持つ場合もナショナルトラストのように皆でお金を出し合って土地を購入した場合も任意団体では代表者の個人名で登記しなくてはならない。多額の契約行為や雇用、保険、財産の保有などが組織活動に必要となってくることを想定すると、法人化が望ましい。

「考える会」のような市民団体が法人格を取得する場合、特定非営利活動法人(以下NPO法人)をはじめ、社団法人や社会福祉法人等公益性を重視する方向と、企業組合、有限会社、株式会社のように営利を重視する方向等さまざまな展開方向が想定される。

 

 

 

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