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2. 朝倉町のまちづ<りの方向

 

(1) 生活空間のうるおいや都市住民のやすらぎとなる田園風景や風土、豊かな自然環境が残っている

耳納連山を借景とした水車、水田を中心とする田園風景をはじめ、北麓に拡がる斉明天皇ゆかりの史跡群や渓流、筑後川流域の豊かな自然環境などは景観資源としての評価も高い。このように豊かな自然景観が良好な状態で現在に受け継がれているのは、町土の約半分(48.1%)が農業振興地域農用地区域に指定されていることから、土地利用の制約により大規模・無秩序な開発、整備が行われなかったということが背景として考えられる。

また、旅行代理店のインタビューでは、「実働する水車のイメージをアップ」と「豊かな自然や史跡の活用」により、近年ブームとなっているウォーキングニーズや体験学習への可能性についての示唆があった。

 

(2) 豊かな自然を舞台にした様々な暮らしや産業(生業)がある

200年前から実働している水車による農業生産、筑後川の恵みによる酒づくり、大地の恵みによる蜂蜜づくりなど豊かな自然が人々の産業(生業)や生活の源となっている。

また、出荷量日本一を誇るねぎを中心に高い営農技術の蓄積がある。

 

(3) まちづくりへの参加意識、問題意識、目的意識をもった人々の存在

従来の組織の枠を飛び越え、今日的な課題に対し社会貢献的な活動をしたいと思っている人や、実際に組織化して積極的に活動を展開しているグループが既に存在している。

 

(4) 福岡都市住民の生活居住及び観光レクリエーションの受け皿としての可能性

福岡市からの交通利便性(車で60分)が高く、福岡都市圏の外延化(ベッドタウン化)が近隣(三輪町、夜須町)まで拡大してきており、福岡都市圏の生活居住地となりうる可能性がある。

今後の魅力的なまちづくりの展開により、近隣の秋月城址の甘木市、原鶴温泉の杷木町には訪れている年間100万人の観光客を吸引することが期待される。

 

 

 

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