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このような都市空間形成の歴史的経緯を踏まえ、新たな長期総合計画である「名古屋新世紀計画2010」の都市空間将来構想においては、市域を「都心域」、「既成市街域」、「新市街域」、「港・臨海域」の4つのゾーンに大別し、それぞれについて基本方針を示している。

都心域のエリアは、名古屋城の南側に位置する旧城下町を含み、概ねJR中央線とJR東海道線で囲まれた部分とし、その中でも特に中核となるエリアを「都心核」(北は官庁街、南は大須、西は名古屋駅周辺、東は新栄)としている。

都心域と都心核の都市空間形成の基本的な方向は以下のとおりである。

○都心域

・商業・業務、サービスなどの機能をより一層集積し、都心機能の強化につとめる。

・都心の利便性を生かした都心居住を促進し、定住人口の確保につとめる。

・老朽化した建物の建替えや再開発により土地の高度利用と機能更新を誘導する。

○都心核

・商業・業務機能をはじめさまざまな都市機能の集積をはかり、それにともなう広域交流機能の一層の充実をはかる。

・土地の高度利用や都市景観の整備などにより、風格ある魅力的な都心空間の形成をはかる。

 

このように都心核は、国際的な交流拠点の形成を見据え、中部圏、名古屋大都市圏の中枢にふさわしい商業・業務機能に加え、行政、文化、娯楽機能などの都市機能の集積をめざしており、都心居住については、それを取り巻く都心域において土地の高度利用、機能の複合化などにより、利便性を生かした都心居住を促進し、定住人口の確保につとめるとしている。

 

 

 

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