まとめ
学んだことはまだまだたくさんあり、限られた誌面上では言い尽くせない。緩和ケアに携わるものの人間的資質には
1] 学ぶ姿勢
2] ユーモア(ずっこけたこともする人間性)
3] スピリチュアルな側面も持ち合わせ、安定した心を持てる人
にあると思う。患者が生きる意味を問い続けるように、援助者である自分も生きる意味を問い続け、自己への気づきは欠かすことができないことを実感した。また、患者を支える人と、患者自身を必要とする人がいれば、極限状態であっても患者は価値を見いだすことができる。人間の尊厳とは他人の手を借りることはあっても本来自らが生み出すものであること、そして緩和ケアとはどのような状況においても患者の人生の価値を認め、最後まで生を支え続けることであることを学んだ。緩和ケアが一般化していくにはその認識に大きな隔たりはあるが、がん告知からの連続性を持つ一般病院での緩和ケアは、今後も大きな役割を持つと確信した。
おわりに
実り多い研修を終えることができたのは、6週間という長い期間支えてくださった神戸研修センターのスタッフの皆様、快く研修に送り出してくれた病院の仲間、そして陰から支えてくれた家族がいたからと感謝しています。