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さらに、患者が出すサインやメッセージを繊細に受け止めることができるように、豊かな感性と、センスを磨いていく必要がある。また、看護婦がなにげなくみせる表情や態度、雰囲気から、すでに患者とのコミュニケーションが始まっているということを忘れてはいけない。したがって、私たちは、自分の気持ちをコントロールし、常に暖かい微笑みと優しい雰囲気を持っていることが必要である。これは、プロの看護婦としてのあるべき態度であり、基本的な姿勢だと思っている。

 

おわりに

 

大学病院であっても、ターミナル期を迎える患者がいる限り、緩和ケアは必要不可欠なものである。大学病院では、十分な環境を提供することは困難かもしれない。しかし、ハード面が十分でなくても、ソフト面が充実していれば、患者にとってより良い看護を提供することができると思っている。今後は、、患者の意志を尊重した心のこもったケアを提供し、「いかに有意義に生きられるか」を援助していきたい。そして、自分はどうあるべきなのかを常に問い続けながら、相手の痛みが分かり、思いやることのできる看護婦になれるよう、磨きをかけていきたい。

 

 

 

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