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(5) ボランティアの働き

決して労働力としてホスピスのケアに参加するのではなく、ホスピススタッフのケアの質を高めるためにチームに加わるべきである。働きの内容は多種多様であるが、各種のマッサージ、病棟の整理整頓や患者の買い物の付き添い、お茶会などがあり、音楽ボランティアは楽しみにされていた。

 

5) 家族への援助

ホスピスの大きな特徴の一つに家族への援助がある。末期患者は決して単に患者であるだけでなく、家庭人としての存在でもある。この絆が断たれようとしている。家族とのコミュニケーションを密にし、良き信頼関係を築くことが大事である。病状の説明や今後予想される経過、さらには残されている期間がどれほどなのかを思いやりを持って説明する。さらに患者と家族の間でできるだけ素直な会話がかわされるようにと、側面から援助することも大切である。

 

結果

 

実習を通して様々な学びを体験することができた。実習の第1目標としての一般病院における緩和ケアとはという疑問に答えが出たように思う。緩和ケアにおけるその技術や知識、態度は、いつでもどこでもできるものだと思う。忙しい一般病院であっても患者・家族に心を向けることはできる。

実習目標の第2としては、緩和ケアが一般化していくためにも教育が必要不可欠だと思う。科学的根拠や論理的思考に基づいて表現できること、その意味づけを明確に出せるようにするためには「看護理論」は必須である。

 

おわりに

 

緩和ケアは終末期に限らずもっと早くから、発病の段階から行われるべきである。なぜなら患者の苦痛を緩和することを目的とする全人的ケアが緩和ケアであるからである。

実習の場を提供し「暖かいもてなし」の心で指導してくださった亀山栄光病院の皆様には深く感謝しています。

 

 

 

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