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今回、いろいろな角度から、「緩和ケア」についての講義を受けることができ、自分の知識がいかに不足していたかを思い知らされ愕然ともしましたが、このことで、もっと学ばなければならないことがはっきりして、今後、自分が何をしていけばいいか、何から始めればよいかが少し見えてきたような気がします。

 

実習で学んだこと

 

実習の目的として1)ペインコントロールの実際を知る。2)チームアプローチの実際を知る。3)家族への援助方法を知る。以上の3つをあげ実習をさせていただきました。

すでにホスピス病棟で働いている私にとって、他の施設で実習できたことは、現状を見直すいい機会だったと思います。

実習前に3週間、緩和ケアの基礎についての講義を受けていたことも、実習での目的を達成できたことの大きな要因だったと思います。いつも自分達の看護がこれでいいのかと思い、悩み、行っていることへの今後の手がかりになったと思います。

先日の実習報告会を聞いていても、それぞれの施設でそれぞれの特長を生かし緩和ケアを行っているのだと思いました。しかし、それぞれの特長を生かしながらも、どのホスピスもやはり目指しているものは同じで、患者、家族にとってよりよいケアがなにかを常に考えているのだと思いました。

 

研修を終了して

 

はじめて6週間という長い研修に参加して、最初は緊張して始まりましたが、同じ目的をもった人達が全国から集まり、同じ目標に向かって学んでいくのだと思ったら、24名の仲間ができた感じがして楽しく研修が受けられそうな気がしてきました。

講義の内容は、昨年、私といっしょに働いているスタッフが聴講させていただいて、「あの講義を一人で聞くなんて贅沢だ」といわれていました。プログラムをいただいて、その意味がよくわかりました。そして、講義を受けていくうちに、やはり内容が充実していて、今、たくさんのものを吸収できたように思います。

実際、ホスピスで働いていても、その基礎がきちんと理解できていなくて、いつも「これでいいのだろうか」という不安や疑問をもったまま働いていました。いっしょに働いているスタッフも私と同じで、日々の仕事に追われ、その仕事を一つ一つこなしていくことで精一杯になり、自分がやりたい看護が思うように行えないことにストレスを感じている者もいて、今回の研修に参加して、その解決方法も見つけだせればと思っていました。6週間終了してはっきりとわかったことは、けっして今のままではいけないこと、今の現状に満足してはいけないということです。

「緩和ケア」は今、社会全体から見ても注目をされている分野でもあります。だからこそ、看護の質の向上ということが叫ばれているのだと思います。しかし、看護の質だけが向上しても、いい緩和ケアは行うことができないのです。看護の質だけではなく、医療の質も向上していかなければならないのです。そして、それに伴い私達も、常に上を目指し学び続けなければならないと思いました。

 

最後に、6週間一緒に学んできた24名の仲間との出会いが、私にとっては、なによりの大きな財産になりました。研修を通して、いろいろとご努力いただいた皆様に感謝いたします。ありがとうございました。

 

 

 

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